耐震強度が高いのは一戸建て住宅?マンション?

一般的に一戸建て住宅よりもマンションの方が地震に強いと言われていますが、これは本当なのでしょうか?

確かに、高層マンションが地震により倒壊したという話はあまり聞きません。
一方、阪神大震災や東日本大震災では、多くの一戸建て住宅が倒壊しているのをニュース映像などで見ることがあります。

そこで今回は、一戸建て住宅とマンションの耐震性について少しお話してみたいと思います。

一戸建て住宅VSマンション

確かにマンションであれば、東日本大震災と同様の大津波が襲ってきても安全度は高いと思います。

しかし、マンションであれば地震で停電になると当然エレベーターがストップしてしまいます。
仮に電力の復旧までに何日もかかるような場合、その期間ずっと階段での上り下りを余儀なくされてしまいます。

地上5〜6階であれば大きな問題ではありませんが、地上10階以上となると相当な負担となります。これが高齢者だと考えると負担増は尚更深刻です。

一戸建て住宅であれば、津波という不安要素は高くなりますが、逆に地震や津波により住宅を失っても土地だけは残るという考え方もできます。

分譲マンションであれば、万が一地震で倒壊してしまうと土地だけが残っても、その土地は住民全員の共同所有なので、あまり意味をなしません。

一戸建て住宅の方が耐震性能は高い

地震に対する耐震性を判断する基準として設けられているのが、「耐震等級」です。

この耐震等級で判断すると、わたし個人としては圧倒的に一戸建て住宅の方が耐震性に優れていると思います。

その理由は、分譲マンションの多くが「耐震等級1」なのに対し、近年のハウスメーカーで建てる一戸建て住宅の多くが「耐震等級3」を実現しているからです。

「耐震等級1」と「耐震等級3」では、耐震性に1.5倍の差があると言われています。

一戸建て住宅であれば、あまり多くのコストを掛けずに耐震性能をアップすることができますが、マンションとなると耐震性能をアップさせるためには、莫大な費用が掛かってしまいます。

そのため、少しでも安価で販売したい業者は、耐震性能よりもコスト面を重視する傾向にあるのです。

もちろん、「耐震等級1」だからといって安全面に問題がある訳ではありません。

「耐震等級1」でも、大地震の際に倒壊・損壊しないことを基準に建築されていますので、阪神大震災や東日本大震災規模の地震でも倒壊する恐れはありません。



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