3種類の工法と耐震性能について

日本で主流となっている工法は、「木造軸組工法」「木造パネル工法(2×4)」「プレハブ工法」の3種類です。

今回はこの3種類の工法について、耐震性能という点で比較してみたいと思います。

木造軸組工法(在来工法)

木造の柱を組み合わせた工法が、この木造軸組工法です。

あくまでも一般論ですが、今回紹介する3種類の工法のなかでは、地震に対する性能が一番弱いと言われているのが、木造軸組工法です。

確かに阪神大震災や東日本大震災では、木造軸組住宅の多くが倒壊や損壊したのは事実です。

しかし、これらの多くが築30年以上経っているような古い家屋でした。
最近の木造軸組工法では、耐震力を増す為に「筋交い」や「耐力壁」をバランスよく配置する構造になっているますので、築30年以上前の住宅と同等に考えるのは疑問が残ります。

有名ハウスメーカーでは、一条工務店や住友林業などが、この木造軸組工法ですが、どちらのハウスメーカーも耐震性では業界トップクラスと言われていますので、あまり心配する必要はないと思います。

しかし、最近急成長しているローコスト住宅と呼ばれているハウスメーカーの多くが、この木造軸組工法を採用しているケースが多いのも事実ですので、ローコスト住宅を検討しているのであれば、耐震性などをしっかりチェックすることをお薦めします。

2×4(木造)

木造住宅で軸組工法の次に多いのが、2×4(ツーバイフォー)と呼ばれる住宅です。

2?4工法は、軸組工法のように木造の柱で組み立てていく方式と違い、木造の構造用合板を組み立てていくパネル方式です。

柱よりも面であるパネルが揺れに強いのは、言うまでもありません。

ものすごく極端な言い方になってしまいますが、すごく単純に説明すると「マッチ棒で作った家」と「積み木で作った家」では、明らかに積み木の家が揺れに強いのは明らかです。

よく2?4住宅は、大地震でも倒壊しなかったという話を聞きますが、2?4工法が日本で建てられるようになって、そんなに歴史がある訳ではありません。それを、数百年という歴史がある軸組工法と比較対象するのは、違う気がします。

有名ハウスメーカーでは、三井ホームやセルコホームなどが、この2×4工法を採用しています。

プレハブ(鉄骨系・ユニット系)

「プレハブ工法」「木造軸組工法」「2×4工法」の3種類で耐震性能を比較するのであれば、耐震性という点では、プレハブ工法が圧倒的支持を得ていると思います。

プレハブ工法といっても、「鉄骨系」や「ユニット系」の住宅がありますが、どちらにしても木造住宅よりは高い耐震性能があると言われています。

基本的に構造部分が鉄骨ですので、揺れにも強いですし、火災にも強いです。
しかし、木造住宅と比べると、それだけコストが高くなってしまうというネックがあります。

それであれば、木造住宅で家を建てて、最新の制震工法や免震装置を設置することを検討するのも一考だと思います。

木造住宅と比較して、坪単価が5万円高いのであれば、40坪の住宅建てると200万円という価格差がでます。

この200万円という価格差が、免震装置の設置という検討材料になるのです。

単純に耐震性だけを比べると「プレハブ>木造」という構図になります。しかし、免震装置を設置することで「プレハブ<木造(免震)」という構図にも十分なり得るのです。



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