住宅を建てるときに知っておきたい耐震・制震・免震について

耐震住宅を検討している人で一番迷っているのが、「耐震」「制震」「免震」のうち、どれが一番良いか?という事ではないでしょうか?

ハウスメーカーによって、取り扱っている耐震構造に違いありますし、それぞれのハウスメーカーは当然ながら自社の耐震構造が一番だと薦めてくるはずです。

そこで今回は、「耐震」「制震」「免震」について、それぞれの特徴などを紹介していきたいと思います。

耐震住宅とは?

最もポピュラーな耐震構造がこの「耐震住宅」です。
近年では、多くのハウスメーカーが標準仕様として、耐震住宅を掲げています。

耐震住宅とは、大地震など強い揺れがきても、住宅が倒壊しない作りになっています。

つまり、大地震にも「耐えることができる家」ということから、「耐える家=耐震」と呼ばれています。

しかし、あくまでも地震の強い揺れにも耐える家なので、地震の影響をもろに受けてしまい、家自体が大きく揺れることから、屋内の家具の転倒などによる二次災害の被害までは考えられていません。

ただし、筋交いを入れるなどの構造強化や、補強金物などによって比較的簡単に地震対策することができるため、耐震リフォームなどの多くが、この「耐震住宅」となります。

費用の面で考えても、他の「制震」や「免震」よりかなり安価で地震対策できるのも多くのハウスメーカーが採用している理由だと思います。

これから新築住宅を建てるという人であれば、あまりお薦めではありませんが、築30年以上経過しているような旧耐震基準の家であれば、十分に検討できる耐震方法だと思います。

制震住宅とは?

制震住宅とは、地震の揺れを特殊な装置により吸収する働きがある住宅のことをいいます。

つまり、「揺れを制御する家=制震」と呼ばれています。

装置は各ハウスメーカーなどによって違いはありますが、すごく単純にいってしまうと、自転車や自動車のサスペンション的役割をしてくれる装置だと思って頂ければ解かりやすいのかと思います。

耐震住宅よりも揺れを軽減してくれますし、免震よりもコストが安いことで、多くのハウスメーカーで取り扱われています。

積水ハウスでは一部商品が標準仕様となっていますし、へーベルハウスでは全商品が標準仕様となっています。

他にもオプションではありますが、ダイワハウスやミサワホームなども制震住宅を扱っています。

免震住宅とは?

一戸建て住宅において最も高い評価を受けているのが、免震住宅です。

免震住宅の特徴は、東日本大震災クラスの地震がきても、揺れそのものを建物から逃がす役割がありますので、室内にいてもほとんど揺れを感じることはありません。

震度6クラスの揺れであれば、テーブル上のコップすら倒れないと言われています。

免震住宅の構造は、建物と基礎の間に特殊なゴム装置を設置することで、揺れ自体を建物に伝わりにくくしてあります。

耐震工法の住宅と比較すると、地震時の揺れは5分の1程度にまで軽減することができるそうです。

ただし、耐震・制震と比較すると、コスト的な問題がネックとなります。

一戸建て住宅への設置コストは各メーカーによって違いますが、250万円〜400万円程度を考えておかなければなりません。

積水ハウスやダイワハウスでは、制震も免震も取り扱ってしますが、住友林業や一条工務店などの木造メーカーでは、免震のみの取り扱いというケースが多いようです。



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