皆さんは1年間にどれほど、住居や会社などへの侵入による泥棒被害が発生しているかご存知でしょうか?
平成13年度が33万件という過去最高の数字をだしていますが、それからは減少傾向にあり、平成23年度では12万6千件にまで減っています。
ピーク時に比べ、40%程度にまで減少していますが、それでも約4分に1件の割合で泥棒被害が発生していることになります。
図表:侵入窃盗の認知件数の推移(平成23年発表)
(出典:警視庁HP統計資料)
住宅への泥棒侵入率は56.5%
平成23年度の泥棒発生件数は12万6千件でしたが、発生場所の割合をみていきたいと思います。
発生場所で一番多いのが、一戸建て住宅で38.5%、次いでマンションやアパートなどの共同住宅が18.0%となっています。
つまり、一般家庭の住宅被害が全体の56.5%にも及んでいることになります。
会社や商店などの泥棒被害が全体の23%なので、一般住宅の泥棒被害がどれほど多いか理解頂けると思います。
図表:侵入窃盗の発生場所別認知件数(平成23年)
(出典:警視庁HP統計資料)
泥棒被害になった住宅の50%以上が窓から侵入されている
一戸建て住宅とマンションやアパートなどの共同住宅によって違いがありますが、多くの泥棒は窓から侵入していることが統計データーにより解かっています。
平成23年度のデーターでみると、一戸建て住宅への泥棒侵入場所の58.7%が窓からとなっており、マンションなどの共同住宅でも窓からの侵入件数は3階以下で59.4%、3階以上でも45.7%となっています。
泥棒が侵入に使う手口
続いて泥棒が侵入に使う手口を、統計データーからみていきたいと思います。
最近ではピッキングやサムターン回しなどの被害が注目を集めていますが、それでも全体の1%〜2%程度に過ぎません。
圧倒的に多いのが、窓ガラスの破壊と無旋錠口からの侵入です。
窓ガラスの破壊は、一戸建て住宅で38.5%、マンションなどの共同住宅だと3階以下で36.6%、4階以上で24.7%となっています。
窓ガラスが割れる音で住人も気付くのではないかと思うでしょうが、熟練した泥棒になると、ほとんど音を立てずに窓ガラスを破壊することができるのだそうです。
続いてのケースは、玄関や窓などの無旋錠口からの侵入です。
こちらも一戸建て住宅で全体の46%、マンションなどの共同住宅だと3階以下で43.5%、4階以上で42.2%となっています。
ちなにみ、窓破壊と無旋錠に次いで多いのが、植木鉢や郵便ポストなどに隠してある、合いカギを使っての侵入手口で、割合ですが一戸建て住宅で13.7%、共同住宅だと5.5%というデーターになっています。
泥棒が犯行に及びやすい時間帯とは?
私が一番驚いたのが、泥棒被害が発生している時間帯についてです。
私のなかでは、住人が仕事や買い物などで出かけているであろう、昼間が泥棒が好んで犯行に及ぶ時間帯だと思っていたのですが、どうやら大きな勘違いだったようです。
警視庁のデーターによると、泥棒が好んで活動している時間帯は、住人が寝静まった深夜2時〜4時の時間帯なのです。
数字別にみてみると、AM6時〜PM24時までの発生件数は、ほぼ50件〜150件程度なのですが、深夜2時〜4時までの発生件数は一気に跳ね上がり400件前後となるのです。
深夜4時〜明朝6時までの発生件数も250件程度と高い発生率を示しています。
図表:侵入強盗の発生時間帯別認知件数(平成23年発表)
(出典:警視庁HP統計資料)
泥棒被害が低下している理由
約10年前と比較すると、泥棒の発生件数が半数程度に激減していることがわかります。
この理由のひとつに、一般住宅へのセキュリティなどの防犯対策が普及したことだと言われています。
10年ほど前まで、防犯に対するセキュリティといえば、会社などがメインだったのですが、近年では一般住宅でもセキュリティへの関心が年々高まっています。
また、大手セキュリティ会社からも、個人向け住宅用のセキュリティ商品が数多く販売されていますので、皆さんが思っているよりも安価で自宅のセキュリティ強化が可能になっているのです。
犯行時間が住人の寝静まった深夜に集中しているのも、セキュリティの関係が強いと言われています。
昼間など、留守にするときはセキュリティを強めますが、住人が居宅内にいる時間帯はセキュリティ面でも低下していることが考えられるからです。