オール電化のメリット
オール電化のメリットは、大きく「安全性が高い」「経済面に優れている」「環境・健康に優しい」の3項目に分けられます。
今回は、この3項目を中心に、その他のメリットなどについても簡単に紹介していきたいと思います。
メリット1「安全性が高い」
出火原因のベスト3といわれているのが、1位「放火」2位「タバコ」3位「コンロ」です。
しかし、ここ数年で禁煙ブームの影響もあり、タバコが原因の出火は減少傾向にあるようですが、その代りに高齢者の増加に伴いコンロの消し忘れなどによる出火が増加しているそうです。
ちなみに2011年度では、火災原因の10%がコンロによる出火だそうです。
また、火災にならないでも、コンロによる事故は多発しています。なかでも多いのが子供や高齢者の火傷です。
高齢になると視力の低下により青白いコンロの炎を認識するチカラが衰え始めるため、洋服に炎が引火してしまい、火傷を負う事故が多発しているそうです。
このような、火災や火傷の不安を解消してくれるのが、IHクッキングヒーターです。
IHクッキングヒーターであれば、電力によって加熱しますので、火を使う必要がまったくありませんので、火傷や火災の心配をする必要がありません。
また、オール電化にすることで、ガス給湯器やガスファンヒーターなども使用しませんので、ガス漏れの心配もありませんので、小さいお子さんや高齢者がいる家庭にはかなりオススメです。
メリット2「経済面で優れている」
オール電化にすることで、一番期待したいのが経済面への効果だと思います。
これまでだと、電気料金とガス料金をそれぞれ支払っていたのが、電気料金に統一されることで、光熱費がかなり削減されることは間違いありません。
一般家庭では、ガス使用量の大半が給湯に使用されていることをご存知でしょうか?
4人家族のケースだと、50〜60%が給湯に使用されているそうです。
その証拠に夏場になると、ガス料金が凄く安くなったという経験があるはずです。
これは、お風呂を沸かす時間が短くなったり、シャワーで済ませる日が増えるからです。
オール電化住宅では、これまでのガス給湯器も「エコキュート」や「電気温水器」などの設備に変更することになります。
「エコキュート」や「電気温水器」は電力でお湯を沸かすことができますので、ガスを使用する必要はありません。
さらに、電気料金が安い深夜の時間帯を利用しますので、電気料金も日中の3分の1程度に抑えることが可能になります。
電力会社が発表しているモデルケースによると、一般の家庭であれば1ヶ月に10,000円程度の光熱費削減効果が期待できるとなっています。
メリット3「環境・健康に優しい」
オール電化住宅にすることで、コンロ暖房器具で火を使いませんので、家庭内に二酸化炭素が発生しません。
さらに、水蒸気が発生することもありませんので、結露やカビの発生を最小限に抑える効果もあります。
そのため、家庭内の空気をクリーンに保つことができますので、ハウスダストなどを抑える効果もあり、アトピー性皮膚炎などのアレルギー体質の方にもオススメです。
また、深夜電力を主に利用しますので、電力会社は余分な電気を作らずに済み、結果として地球環境にも優しいのがオール電化なのです。
メリット4「災害時のライフライン復旧が早い」
地震や台風の際にライフラインが断絶されるケースがあります。
このような際に、最も早く復旧するのが電力だと言われています。
東京都が想定しているマグニチュード7クラスの地震だと、ライフラインが復旧するまでに電力が6日、上水道が30日、ガスが53日となっています。
つまりオール電化にしておくことで、1週間あれば家庭内において調理したり、暖をとることが可能になるのです。
またエコキュートや電気温水器のなかには数百リットルの水が貯蔵されていますので、数日間は生活用水としても利用できます。
オール電化のデメリット
オール電化にすることで、多くのメリットが得られるのも事実ですが、メリットばかりではないことも知っておく必要があります。
今回は、オール電化のデメリットについて、メリット同様にいくつか紹介していきたいと思います。
少し細かな部分にも触れていきますが、デメリットとなる部分は、より多く知っていて損にはなりませんので、オール電化を導入する際の参考にしてください。
デメリット1「初期投資が高額になる」
IHクッキングヒーターとエコキュートor電気温水器を導入するだけでも、設置工事費まで含むと60万円〜80万円ほどの費用が掛かります。
いくら光熱費を抑えることができるといっても、60万円〜80万円の初期費用を取り戻すにはかなりの年数が掛かってしまいます。
電力会社や販売店などでは、既存の設備をオール電化に変更することで、どれくらいの光熱費が節約できるのかというシュミレーションを行ってくれますので、導入費用と光熱費削減費用の相対性効果をしっかりと把握したうえで検討することをオススメします。
デメリット2「停電時には使用できない」
オール電化のデメリットとして真っ先に挙げられるのが「停電時に使用できない」という点です。
地震などの災害時に真っ先に復旧されるライフラインは電力だと上記で紹介しましたが、災害時などに真っ先に断絶されてしまうのも電力だと言われています。
水道やガスと違って、電力は台風などでも切断されてしまう可能性が多いので、オール電化にすることで、停電時にお風呂も入れないし、調理もできないというデメリットが考えられます。
このような点から、台風の影響が大きい九州地方などでは、オール電化の普及率が伸びないと言われています。
デメリット3「寿命がわからない」
オール電化の象徴ともいれるIHクッキングヒーターとエコキュートですが、これらの商品は販売が開始されてまだ年数が浅い事もあり、どれくらいの寿命なのかハッキリした年数がわかっていません。
エコキュートに関しては、7年〜10年という人もいれば、販売業者によっては20年以上という人もいます。
ガス給湯器でも平均寿命は10年〜15年といわれていますが、ガス給湯器とエコキュートでは、販売価格が2倍〜3倍違います。仮にエコキュートの平均寿命をガス給湯器と同じ10年〜15年とすると、10年〜15年おきに50万円ほどの出費が必要になってしまいます。
ちなみに、わたしは不動産会社にも長年勤めていたのですが、とにかく電気温水器の故障が多かったのは間違いありません。
実際にわたしが勤めていた不動産会社が管理していた賃貸物件では、電気温水器の平均寿命は10年〜15年という統計でした。
デメリット4「設置場所が必要」
エコキュートや電気温水器は一度に何百リットルという水を貯めて必要がありますので、それなりに大型の機器になります。
高さも2mを超えますし、重量も500kg前後と非常に重たいので、住宅によっては新たに設置スペースに基礎工事が必要にあるケースもありますし、マンションなどでは、強度補強が必要になるケースもあります。
これらの機器を設置するスペースや工事が必要になるのもデメリットの一つだと言えるでしょう。
デメリット5「これまでの調理器具が使用できない」
ガスコンロをIHクッキングヒーターに変更することで、これまで使用していた調理鍋が使用できなくなるケースがあるという話は有名だと思います。
すべての鍋が使用できない訳ではありませんが、土鍋は完全にアウトですし、アルミや銅などが使用されているお鍋もあまりオススメできません。
また、これまでガスコンロを使用している人だと、IHクッキングヒーターの火力に不満を感じる人も多くいるみたいです。
とくに強い火力が必要とされている中華料理などを頻繁につくられるご家庭ではあれば要注意だと思います。
デメリット6「電磁波の影響」
発売当初から問題視されていたのですが、IHクッキングヒーターからは電子レンジ同様に強い磁場が発生しますので、ペースメーカーなどを装着している人は利用を避ける人が多くいらっしゃいます。
現在でも正式には、IHクッキングヒーターがペースメーカーに影響を与えるのか解明されていませんが、ペースメーカーなどの医療機器をご利用している方は、担当のお医者さんに相談されることをオススメします。