元不動産営業マンが教える、空室を出さない方法

私は数年前まで不動産会社に勤めておりましたので、家主さんがどのようにして空室をなるべく作らないようにしているのか良く知っています。
少々失礼な言い方になってしまいますが、家主さんにも色々なタイプがいて、本当に必死で空室対策を考えている家主さんがいれば、ただただ相続で受け継いだだけで、不動産の知識がまったくない素人家主さんもいらっしゃいます。

また、ご年配の家主さんもいらっしゃれば、若いサラリーマン世代の家主さんもいらっしゃいます。あくまでも一般論ですが、若いサラリーマン世代の家主さんが著書などを読んで空室対策をしているのに対し、ご年配の家主さんには頭が固く、昔からのやり方を変えようとしない家主さんが多いのも事実です。

空室を作らないための対策

空室を出さないための対策として、フリーレント物件や報奨金物件など、色々とありますが、一番の対策は不動産会社の社員さんに入居者を決めやすい施策を作ることや、社員さんのやる気をおこさせるようなキャンペーンを打つことです。

空室対策その1:フリーレント物件

 

フリーレントとは、当初1ヶ月分の家賃を無料にしたりするシステムのことをいいます。物件情報をみていて「フリーレント2ヶ月」と書いてあれば、入居から2ヶ月間の家賃は0円ということになります。

賃貸人気が高い地域になるような物件であれば、わざわざフリーレントなどで募集をする必要はありませんが、あまり人気がない地域や築年数が経過している古い物件などはフリーレントなどのシステムを取り入れて入居者を確保している家主さんは多くいらっしゃいます。
当然、仲介をしている業者の社員さんも「今だったら、1ヶ月分の家賃が無料になりますよ」というセールスポイントがあれば、その物件をプッシュしやすいのは理解できますよね。

空室対策その2:社員さんへの報奨金

 

実はココだけの話なんですけど、賃貸物件のなかには入居者を決めると、家主さんから金一封がもらえる物件もあるんです。これは不動産会社によるのですが、その金一封を営業マンが全額もらえるという不動産会社も少なくありません。金一封の相場としては、その物件の家賃1ヶ月分くらいです。

つまり、家賃7万円の物件の入居者を決めれば、契約後すぐに7万円を現金でもらえてしまう訳です。普通に営業活動して、7万円もらえる物件があれば、営業マンはどうしてもその物件を強くプッシュしたくなるのが理解いただけると思います。

実はこれには少しカラクリがあります。この金一封、家主さんが出しているように思われるかもしれませんが、金一封をだしているのは、実は入居者さんなんです。つまり、入居者さんが家主さんに対して支払う礼金から支払われているのです。
しかも、この入れ知恵をしているのは、ほとんどが仲介している不動産会社の営業マンなんです。例えば敷金2ヶ月、礼金0という物件があれば、敷金2ヶ月、礼金1ヶ月にして、その礼金分を報奨金としてはどうですか?というアドバイスをしています。

同じ地域の不動産会社同士では、このような報奨金付きの物件情報をFAXなどでやり取りしています。そうすることで、その地域の営業マン全員が我先にとお客さんを連れてきてくれるようになるのです。

空室対策その3:礼金を仲介業者へ還元

対策2と同じことなのですが、この礼金を営業マンでなく、不動産会社に還元している家主さんもいます。
例えば、最近仲介手数料無料という賃貸物件が増えていますが、これは家主さんから礼金1ヶ月分を仲介手数料の代わりに貰えるので、仲介手数料0円にすることが出来ているのです。稀に家主さんから報奨金を貰っておらずに仲介手数料0円にしている不動産会社もありますが、これらは仲介手数料で設けるのではなく、月々の管理費で利益を確保しようという考えだと思います。

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