「抵当権」と聞くと、差し押さえされているようなイメージがありますが、抵当権とは、住宅ローンを借りる際に、金融機関側が土地や建物につける権利のことをいいます。
つまり、住宅ローンを利用している全ての住宅には、抵当権がついていることになりますので、あまり心配する必要はありません。
抵当権がついている物件は売買できない
基本的に抵当権がついている物件を売買することはできません。つまり、抵当権者である金融機関が売買を認めないという訳です。
そのため、抵当権がついている物件を売買するには、抵当権を抹消してもらわなければなりません。
抵当権を抹消してもらうには、抵当権者である金融機関から、今現在借りているお金を全額返済することが条件となります。
抵当権がついている物件の売買までの流れ
10年前に2500万円の住宅ローンを組んで新築の住宅を建築したとしましょう。
一般的に住宅ローンは30年〜35年ほどで組みますので、まだ20年以上のローン支払いが残っていることになります。残債も2000万円ほど残っているでしょう。
このような物件であれば、売主側は住宅ローンを完済するために、2000万円以上で戸建て住宅を売りに出すはずです。
つまり、売買代金で残りの住宅ローンを完済する考えだということが解かります。
このような流れで売買が行われるのであれば、何の問題もありませんし、抵当権者の金融機関も売買に応じてくれるでしょう。
しかし、この物件が1800万円でしか売れなかった場合、住宅ローンが200万円ほど残ってしまうことになります。
これでは、抵当権者である金融機関は納得しません。もちろん、売主側がこの200万円を現金で完済するという内容であれば問題ありません。
しかし、200万円という現金が用意できない場合はどうなるでしょう?
このようなケースだと、基本的に任意売却という扱いになりますので、抵当権者である金融機関、仲介に入っている不動産業者、売主などを交えて、じっくりと対策を話し合わなければなりません。
このようなケースは決して珍しくありませんので、何らかの解決法が提示されると思いますので、そのときは慎重に検討するようにしてください。