ソーラーパネルの設置が人気なのは?

2003年度の調査では、新築時に太陽光発電システムを設置した件数は、全体の1.3%という集計結果があります。1000軒の住宅が建築されても、わずか13軒という結果です。

しかし、2011年度に行われた調査では、その割合は17.5%にまで急激に増加しています。
その数なんと、1000軒の建築だと175軒となり、わずか8年間で13倍以上に増えています。

このように太陽光発電を設置する住宅が急激に増加した理由について、考えていきたいとおもいます。

主な理由として「原子力発電などへ対する不安」「補助金制度の充実」「売電価格の高騰」「設置費用の低下」などが考えられます。

原子力発電などへ対する不安

2011年の東日本大震災により、多くの地域で長期間に渡り、電力の復旧ができずに電気の無い暮らしをすることになりました。

東北地方の3月といえば、まだまだ寒さが堪える時期です。こんな季節にエアコンやファンヒーターなどの暖房器具なしで生活するのは、非常に辛かったでしょう。

このような大規模な災害などが起こっても、太陽光発電のように自家発電装置があれば、最低限の日常生活を送ることは可能です。

さらに、東日本大震災の影響で、日本国の原子力発電の先行きは不透明な状態です。
今後も、現在のように原発が停止した状態が続けば、家庭用電気の料金が高騰することは明らかです。

このような災害時や電気料金への不安が、太陽光発電システムを設置するひとつの要因となっていることは間違いないでしょう。

補助金制度の充実

日本政府は温暖化対策として、太陽光発電システムを設置する家庭を2030年までに全体の3割(1400万世帯)まで増やす計画を打ち出しています。

その計画を実現させる方法として、政府がチカラを入れているのが太陽光発電システムへの補助金制度の導入です。

2012年現在では、地域や各自治体にもよりますが、最も優遇されているケースだと国・都道府県・市区町村という3つの機関から補助金を受けられるようになっています。

国からの補助金額は、1kWのシステム価格が55.0万円以下の場合だと3万円/kWの補助金。
1kWのシステム価格が47.5万円以下の場合だと3.5万円/kWの補助金が受けられることになります。

つまり、より安い機器を設置することで補助金も優遇されるという訳です。
これは、高額な設置費用を騙し取る悪質な業者が急増したため、それらの業者を排除する目的もあります。

また、各自治体の補助金は、予算制になっている場合が多く、予算が尽きた時点で補助制度は打ち切られることになっていますので、申請すれば必ず補助金がもらえるという訳ではありません。

売電価格の高騰

太陽光発電システムで発電した電力のうち、余った電力を電力会社へ売ることができるのは皆さんもご存知だと思います。

本来であれば、余った電力の売電価格は、1kWhあたり24円でした。しかし、2012年6月までであれば、1kWhあたり42円で買い取ってくれるのです。

しかも、1kWhあたり42円という買取価格は、その後10年間継続することになります。

2012年6月以降は、徐々に買取金額は低下していくことになります。
現に2011年では、買取価格が1kWhあたり48円だったことを考えれば、2012年6月以降は35円〜40円ほどに下がると予想されています。

つまり、少しでも早く電力会社と売電契約をしておくほうが断然お得なのです。

設置費用の低下

10年前までは、太陽光発電システムを設置する初期費用は300万円ほど必要だと言われており、5年前でも200万円ほど必要だと言われていました。

それが、ここ3年間ほどで一気に低コスト化に成功しています。

2012年現在では、一般家庭に人気がある3kWh〜4kWhタイプでも、設置費用は100万円〜150万円が相場となっています。

これは、補助金制度や売電価格の高騰により、太陽光発電システムを設置する家庭が増えたことで、多くの業者やメーカーが本格参入してきたことによる価格競争が要因だと言われています。

このように設置費用も急激に下がり、更には補助金によってかなりの金額が返還されますので、実際の設置費用が100万円を切るというケースも珍しくないようです。



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