ソーラーフロンティア製太陽光発電システムのメリット・デメリット

ソーラーフロンティアは、2006年に昭和シェル石油の完全子会社として、一般住宅向け太陽光発電システムの販売を開始しました。

6年ほどの歴史が浅い会社だと思う人も多いようですが、昭和シェル石油は1978年から太陽光発電の研究を開始していますので、30年以上の歴史があるのです。

研究開始時は、現在の主流となっているシリコン型の太陽光パネルの研究を行っておりましたが、1993年に現在のCIS系太陽光パネルの研究へと方向転換しています。

さらに2011年には、国内に世界最大規模の生産工場を誕生させ、すでに稼働していますので、今後の動向に世界中が注目しています。

ソーラーフロンティアの太陽光発電システムの特徴を簡単にまとめてみました。
  • 黒で統一された太陽光パネルはデザイン性も高く、実発電量も高い
  • 国内主要メーカー初の20年保証
  • 国内メーカーなのに低コスト化を実現
  • 太陽光パネル20枚の発電量3.00kw(CISパネル:SF150-K)

ソーラーフロンティアの太陽光パネル

芸能人の井川遥さんのテレビCMでもお馴染みだとおもいますが、ソーラーフロンティアの太陽光パネルは黒を基調としたシックなデザインが印象的です。

最大の特徴は、シリコン素材の太陽光パネルが現在の主流なのに対し、ソーラーフロンティアの太陽光パネルは、銅・インジウム・セレンを主成分とした太陽光パネルCISを採用しています。

このCISパネルを採用しているメーカーはソーラーフロンティアのみですが、似たような性質をもつCIGSというパネルをホンダソルティック社が採用しています。

このCISやCIGSパネルの特徴は、単結晶や多結晶のシリコンパネルに比べ、「材料調達が容易」「影に強い」「高温に強い」という3つのポイントが挙げられます。

しかし、まだまだ開発途上といったイメージが強く、研究が進んでいるシリコン型の太陽光パネルと比較すると、発電量や変換効率の面ではまだまだ劣っているというのが現状です。

実発電量は意外と高い

ソーラーフロンティアのテレビCMをみていると「実発電量」という単語を良く使用しています。

実発電量とは、どのような意味なのでしょうか?
まずは、「変換効率」について、もう一度考えてみましょう。変換効率とは、太陽光パネルが吸収したエネルギーを実際に使用できる電力に変換できる数値のことです。
もちろん、この数値が高いほど、優秀な製品であることに違いありません。

しかし、メーカーが発表している変換効率数値は、軒並み好条件下で測定されているため、実際の家庭に設置した場合だと、障害物によってできる影の影響や日照時間の影響などでメーカーが発表している数値を下回ってしまうのが現状です。

そこで、今注目を集めているのが、実際に一般家庭に設置されている状態で数値を測定した「実発電量」という訳です。

ソーラーフロンティアが採用している、CIS太陽光パネルは、影になっても発電効率が落ちにくいため、高い実発電量を生みだすことが可能なのです。
その証拠にソーラーフロンティアの出力保証は国内メーカー最高の20年保証となっています。

実際に調査機関が発表している実発電量の数値は、パナソニックや東芝に次いで3位にランクインするほどです。

ソーラーフロンティア太陽光発電システムのまとめ

ソーラーフロンティアの発電量は、カタログだけを見ていると非常に低く感じますが、上記で説明したように「実発電量」では、非常に高く評価されています。

さらにCIS太陽光パネルの特徴でも書いていますが、材料の調達が非常に容易であるため、生産コストを大幅に抑えることに成功しており、設置コストも非常に安価となっています。

ただし、現時点では本来の発電量が低いため、設置面積を広く確保できる屋根などに向いているシステムだと言わざるを得ません。

今後、さらに研究・開発が進み、高い発電量を確保できるようになると一気に太陽光事業のトップに立つ可能性を秘めているメーカーだと思います。



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