相続した家やマンションを売る時の注意点

一昔前までは、家や土地は長男が相続してそのまま住み続ける、というケースが一般的でしたが、少子化が進んだ今、夫と妻の両方が双方の親から家やマンションを相続する、という場合も少なくないという状況になってきました。

そこで問題になってくるのが、相続した家やマンションの売却などです。相続したものの、面倒くさいからといつまでもそのままにしている人もいるようですが、放置していると、知らず知らずのうちに損をしている場合もあります。相続した家やマンションの売却でお悩みの人にとって、役立つポイントをまとめてみました。

相続した家やマンション、売った方がいいの?

家やマンションを相続したけれども、今、特にお金に困っているわけではないし、売るといっても手続きなどが面倒くさいし…と放置したままの人はいませんか?近いうちに住んだり貸したりする予定がないのでしたら、相続した家やマンションは早いうちに売った方がお得になるかもしれませんよ。

固定資産税の支払い

家やマンションなどの不動産には、固定資産税がかかります。固定資産税の税率は、1年間で0.014%ですので、例えば、資産価値が5000万円と見なされた物件ならば、5000万円×0.014=700000となり、年間70万円もの固定資産税を支払わなければなりません。

家やマンションを相続したけれども、登記の名義を変更していないから固定資産税は関係ない…というわけにはいきません。相続した家やマンションの名義変更をしていなくても、死亡届けを受け取った役所が、その人が所有していた不動産の相続人(となりそうな人)を調べて請求をしてきますので、相続人となる人が支払わなければなりません。

不動産価値が下がる

近々、再開発の計画があるなどの地域などに家やマンションがある場合は別ですが、一般的に家やマンションは、建築年数が経てば経つほど値段が安くなります。特にマンションは、一軒家のように建て替えることもできず、リフォームをするのも大変なため、古くなればどんどん価格が下がっていきます。近くに新しいマンションが建つなどすれば、なおのこと売れにくくなります。

ですから、自分自身や家族、親戚などが住む予定がある、貸してほしいという人がいるなど、どうしてもその家やマンションが必要な場合以外は、思いきって売却されることをおすすめします。査定などが面倒な場合は、インターネットの不動産一括査定サイトなどを利用すると、手軽に査定してもらうことも可能です。

相続した家やマンションを売るには?

では、相続した家やマンションを売却するには、具体的にどうすればよいのでしょうか?

名義変更をする

例えば、相続人があなた一人であっても、相続した家やマンションの名義を変更しないと、勝手に売却することはてきません。相続してから名義変更をするまでの期日は、特に法律で決まっていませんので、売却するまでに行えば大丈夫ですが、早めにしておくに越したことはないでしょう。

登記の名義変更は個人でもできますが、司法書士などの専門家に依頼することもできます。手続の費用は、だいたい5万円〜10万円ぐらいでしょう。個人で名義変更手続きをした場合でも、登録免許税などはかかります。相続登記の場合の登録免許税は、家やマンションの固定資産評価額×0.004%となります。例えば、固定資産評価額が2000万円のマンションですと8万円の登録免許税と、その他に証明書代などがかかります。

相続税について

名義変更と相続税

登記の名義変更と違って、相続税を支払っているかどうかは、売却そのものには関係ありません。ただし、納税期間は決まっており、相続が発生したことを知った翌日から10ヶ月以内に納めないといけません。その期間を過ぎると、追徴金を課せられますので注意してください。

相続税の基礎控除

家やマンションを相続したからといって、必ず相続税が発生するわけではありません。相続した額の3000万円+600万円×相続人数まで基礎控除額となります。ですから、相続人数があなた一人の場合でしたら、相続総額が3000万円+600万円×1人=3600万円までなら、相続税を支払わなくてもよいことになります。また、相続した総額が3600万円を超えた場合、例えば5000万円でしたら、そこから3600万円を引いた1400万円分に相続税がかかることになります。

相続税の税率

相続税の税率は、相続額によって変わります。3000万円以下でしたら15%で控除額が50万円、5000万円以下でしたら20%で控除額が200万円、1億円以下でしたら30%で控除額が700万円となります。例えば、5000万円の相続をあなた一人で受け取った場合、基礎控除額3600万円を引いた1400万円に0.15をかけた額である210万円から、さらに控除額50万円を引いた160万円が相続税となります。

家やマンションなどが売れないと、相続税が支払えない、という場合もありますよね。相続した家やマンションを売って相続税を支払うといった場合は、少しでも高く売れる方がよいのは言うまでもありません。相続税は実際に売れた額ではなく、固定資産評価額に基づいて決定するので、高く売ることができれば、当然、その分得をすることになります。ですから、物件の価値をしっかりと見極めて、高く売ってくれる不動産仲介業者を選ぶことが大切になってきます。いくつもの不動産仲介業者に問い合わせるのは大変ですから、インターネットの不動産一括査定サイトなどを上手に利用しましょう。

相続した家やマンションが遠方にある場合

実家の家やマンションを相続した場合、現在住んでいるところから遠く離れている場所にあることも多いと思います。遠方にある家やマンションを売却するときは、どのような仲介業者に依頼するかで後々の手間などがまったく違ってきますので、業者選びが特に大切なポイントになります。

地元の業者?or全国展開の業者?

相続した家やマンションの近くにある地元の仲介業者に売却を依頼するメリットは、何と言っても地元の顧客情報があるということです。近くに住んでいる人で、住み替えを考えている人などに情報をすぐ提供することができるため、買主が見つかりやすい場合もあります。しかし、地元の「相場価格」を知っている人に売ることが多いため、それ以上の高値で売ることは難しくなります。

全国展開をしている業者に売却を依頼するメリットは、さまざまな場所から依頼を受けたり買主を探したりすることが多いため、連絡や確認のために足を運ばなくても、スムーズに話が進む場合が多いことです。また、買主も全国から探してくることになるので、現地の相場価格に関係なく、売値をつけることも可能です。

こまめな報告は必須

遠方にある家やマンションを売却する場合、どのような状況なのか、買主が現れそうなのかなどを逐一確認しに行くことはできませんよね。ですから、こちらから催促しなくても、こまめに売却状況を報告してくれる業者を選ぶことが大切なポイントになります。

また、複数の業者に同時に売却を依頼できる「一般媒介契約」ですと、報告義務が定められていませんので、売却状況がよくわからない場合があります。中には、一般媒介契約であっても、こまめな報告を約束してくれる業者もありますが、できれば2週間に一度の報告義務がある「専任媒介契約」を結んで、売却依頼する方がよいでしょう。

まとめ

家やマンションを相続した場合は、そのまま放置していると損をすることがありますので、速やかに売却活動を始められることをおすすめします。また、相続した家やマンションを売る場合は、離れた場所にある、名義変更や相続税の手続きがあるなど、通常の売却とは違った問題がいろいろありますので、それらの状況にきちんと対応してくれて、かつ、少しでも高く売却してくれる不動産仲介業者を選ぶことが大切です。遠方にあってなかなか行けない、査定をしてもらうだけでも大変…という場合は、インターネットの不動産一括査定サイトなどをぜひ利用しましょう。時間や労力が節約できるだけでなく、相続した物件の売却に詳しい不動産仲介業者を見つけやすくなります。相続した家やマンションを無駄にせず、あなたの人生に役立てることができるように、がんばって信頼できる仲介業者を探してくださいね。

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