家やマンションの適切な値下げ時期と値下げ幅

いざ、家やマンションを売りに出した時に、初めに売りに出した価格で売ることができればよいのですが、なかなかそうはいかないのが現実。その場合に必要になってくるのが、売り出し価格からの「値下げ」です。

では、家やマンションの売却を成功させるためには、どのような時期にどれくらいの値下げをすればよいのでしょうか?また、どのようなことに気をつければよいのでしょうか?ここでは、そんな「値下げ」についてのポイントをまとめてみました。

値下げとは?

「値下げ」と一言で表しても、その内容や方法はさまざまです。家やマンションを売る時の値下げとは、どのようなものなのでしょうか?

そもそも値下げは必要?

ここで、「そもそも値下げって必要なの?」と思われる人もいるかもしれません。確かに、値下げなどせずに、初めに売り出した価格で家やマンションが売れれば、それに越したことはありません。

しかし、最初に述べたように、実際にはなかなかそうはいきません。その原因の一つとして、家やマンションなどの不動産には、「この場所でこの広さなら、価格は○○円になります」というような「定価」がない、ということが挙げられます。

経済状況や景気に影響されるだけではなく、欲しいという人が多ければ高い値段になり、反対にいなければ値段がつかない、というのが不動産の価格です。例えるならば、常にオークションのような状態であるとも言えるでしょう。

また、ほとんどの人にとって、不動産は人生の中でも1、2を争う高額な買い物となります。値下げの額も、何十万円から何百万円と大きな金額になりますので、値下げがあるのとないのとでは、購入する気持ちもかなり違ってきますよね。ですから、値下げによる「お得感」が、購入を決意するためのきっかけの一つになるのではないでしょうか。

値下げの種類

家やマンションを売る時に直面する値下げには、大きく分けて2つの種類があります。

売り出し価格の値下げ

まず、広告などに掲載している売り出し価格を下げる値下げです。例えば、3,000万円の売り出し価格で広告を始めたものの、内覧希望者や購入希望者がまったく現れないので、2,800万円に売り出し価格を下げて再度広告する、というような場合です。

この値下げは、3,000万円だとちょっと高いな…と思って購入をためらっていた人がいるような場合には、購入意欲を後押しする方法として効果を発揮するでしょう。しかし、同時に「この物件は売れないから値下げをした」と購入希望者に思われてしまう可能性があり、実際に売買交渉に入った時に、足元を見られてしまうという危険が生じることもありますので注意が必要です。

売買交渉時の値下げ

これは、売り出している物件の購入希望者が現れて、実際に具体的な売買交渉に入った時に行われる値下げです。売主の希望の売値と、買主の希望の購入価格とをすり合わせながら値引きをしていき、お互いが合意する価格を決めていく、という場合が多いようです。

購入希望者の購入決心の後押しするために、この交渉時の値下げは「お得感」が増すのでとても効果的です。もし、購入検討者の希望価格(値下げ希望価格)が、売主の売却したい価格の想定内であれば、細かいすり合わせをせずに一気にそこまで値下げをして「お得感」を倍増させ、売買契約までこぎつける、という方法をとるのも効果的な方法です。

値下げ時期

せっかく値下げをしたのに、タイミングが悪ければ元も子もありません。値下げをする見極めや値下げ時期などは、どのように決めればよいのでしょうか・

売り出してからの期間

値下げの時期についてですが、どれくらいの間売れなければ値下げをしなければいけない、というようなきまりや正解はありません。1年以上売れなくても値下げをしない物件もありますし、売りに出してからすぐに値下げをする物件もあります。

しかし、一応の目安として、売り出してから3ヶ月経っても内覧者や購入希望者が現れない場合は、値下げを考えてみる方がよいかもしれません。なぜ、3ヶ月が目安になるかというと、不動産仲介業者との売却依頼の契約期間が3ヶ月であり、それを過ぎると契約更新になるからです。

ですから、売り出してから3ヶ月経ってもまったく反響がない場合は、価格の値下げを検討する前に、仲介業者の売却活動そのものをチェックする必要があります。そこで売却活動に問題がないようでしたら、その時に改めて担当者と相談して値下げを検討するとよいでしょう。

不動産が動きやすい時期

一般的に、不動産の売買が増える時期は1月から3月、そして9月から10月ごろだと言われています。これは、4月からの新年度や、1月からの新しい年に備えて、購入を検討する人が増えるためだと考えられます。

その時期は他の時期に比べて、売り出し物件も多くなり、ライバルも増えるわけですが、不動産の広告を見たり探したりする人も当然多くなります。ですから、そのポイントで値下げをすると、購入希望者の目を引きやすく、値引き効果がアップする可能性があると考えられます。

値下げの幅

次に値下げの幅について見ていきましょう。

どの範囲で値下げをするか?

値下げの時期と同じように、値下げの金額についても「○○円値下げするのが正解」というものはありません。ただし、どの範囲で値下げをすれば効果的かという「値下げの範囲を設定するコツ」はあります。

例えば、同じ200万円を値下げするとしても、3,200万円の物件を3,000万円に値下げするよりも、3,100万円の物件を2,900万円に値下げした方が、お得感がグッと増しますよね。このような値下げの範囲による効果は、普段の買い物で経験されている人も多いはずです。

この値下げ範囲の効果を最大限に活用するためには、初めの売り出し価格をいくらにするのか、そこからどれくらい値下げをしていくらにするのかという計画を、きちんと立てておく必要があります。「お得感」が出せるような価格に値下げすることを見越した上で、初めの売り出し価格を設定するようにしましょう。

いくら値下げをするのか?

売り出し価格にもよりますが、いくら値下げするのかを決めるのも難しい問題ですよね。こちらも、これが正解という値下げの金額はありませんが、概して細かく値下げするよりも、一度に大きく値下げをする方が、値下げで成功する率が高くなるようです。

例えば、3,400万円の物件を値下げして、最終的には2,900万円で売ることになったとしても、3,400万円から3,200万円、3,000万円…と徐々に値下げをしていって2,900万円になった場合よりも、3,400万円からいきなり2,900万円に値下げした方が、購入希望者に「買おう!」という決心をさせやすくなりますし、「お得感」も増しますよね。

売主としては、なるべく値下げをしたくないために、少しずつ値下げをしてしまいがちです。しかし、これは結果としては逆効果。値下げをしたというインパクトが減ってしまいます。値下げをする時は、よく考えた上で思い切って下げる方が、値下げの効果が期待できるでしょう。

まとめ

少しでも高く売れてほしい売主としては、できれば値下げをしたくない、と思うかもしれません。しかし、そこは買い手の立場になって考えてみましょう。買い手としては、同じ金額を支払うとしても、値下げしてもらった方がうれしくなりますよね。その心理を利用して売り出し価格を設定し、値下げを上手に利用しましょう。

また、値下げを上手に利用して売却を成功させるためには、親身になって一緒に売却活動をしてくれる、経験豊富な不動産仲介業者の担当者の助言が不可欠です。ですから、そのような仲介業者を見つけるためにも、インターネットの不動産一括査定サイトなどを利用して、複数の業者の中から、あなたに合った仲介業者を選ばれることをおすすめします。

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