家や不動産を売る前にはリフォームした方がいい?

いざ、家やマンションなどの不動産を売却しようとした時に、あらためて家の中のあちこちを見渡してみると、いろいろな所の汚れや古さなどが気になりますよね。「このままだと売れないかも…」「リフォームした方が、高く売れるんじゃないかな?」などと考える人もいるかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。家やマンションを売る前にリフォームした方が、本当により高く、より早く売れるのでしょうか?ここでは、家やマンションなどを売却する前のリフォームについて、詳しくみていきたいと思います。

リフォームのメリットとデメリット

では、まず家やマンションを売る前にリフォームすることのメリット、そしてデメリットについてみていきましょう。

リフォームのメリット

売却前にリフォームすることのメリットは、何と言っても「見た目が美しくなること」です。壁紙や畳を新しくするだけで、部屋全体が新築のようにきれいになりますよね。さらに、ガスコンロを入れかえたり、シンクや洗面台などの水回りをリフォームしたりすると、見た目にきれいになるだけでなく、機能や性能もよくなることは言うまでもありません。

また、リフォームするとなると、家具などを移動せざるを得ませんので、必然的に片づけや掃除をすることになります。直接的ではないかもしれませんが、これもリフォームをすることのメリットの一つと言えるでしょう。

リフォームのデメリット

売却前にリフォームすることのデメリットは、当然ですが「リフォーム費用がかかること」です。家やマンションなどを売却する際には、売る側であってもいろいろと費用がかかり何かと物入りです。そのような折に、さらにリフォーム費用がかかると大変ですよね。

「リフォーム費用を上乗せした金額で、家やマンションを売ればいいのでは?」と思う人がいるかもしれません。確かに、リフォームにかかった費用分を上乗せした金額で、家やマンションが売れれば問題はありませんが、必ずその金額で売れるという保証はどこにもありません。

むしろ、中古物件を購入する人は、少しでも安い物件を求めている場合が多いので、リフォームしたにも関わらず、それほど高く売れなかった…という状況に陥ってしまう危険性もあります。

リフォームの効果は?

リフォームのメリットとデメリットについて、おかわりいただけたかと思います。では次に、家やマンションなどを売却する前のリフォームが効果的なのかどうか、効果的があるのならば、どのようなリフォームをすればよいのかについてみていきましょう。

買い手の気持ち

では、ここで買い手の立場になって、中古物件のリフォームについて考えてみてみたいと思います。

「美しさ」よりも「安さ」?

中古物件の購入を検討している人の多くは、新築の物件に比べると中古物件の方が「安い」という点を重視していることが多いようです。物件の「美しさ」はもちろん大切ですが、たとえリフォーム済みできれいな中古物件だとしても、他の物件と比べて高ければ、なかなか売れない…という状況に陥る可能性があります。

物件の状況や買い手の希望にもよりますが、「美しさ」で比べると、中古物件は新築物件よりもどうしても見劣りします。ですから、中古物件は「美しさ」よりも「安さ」で勝負する方が、売れやすいことが多いと言えるかもしれません。

自分好みのリフォーム

また、家やマンションを購入する際に中古物件を選ぶ理由として、立地などの条件にこだわりがある、ということが挙げられます。そのような人は、間取りや内装にもこだわりがある場合が多いので、中古物件を購入した後で、自分の好みのリフォームを施そうと考えていることが多いようです。

つまり、もともと2,500万円程度の中古物件に200万円のリフォームをして2,700万円で売りに出されているものよりも、リフォームしていない2,500万円の中古物件を購入し、200万円で自分好みのリフォームをしたいと考える買い手がいる、いうことです。

もし、あなたが家やマンションを売却する前にリフォームしようかどうか迷った時には「自分が買い手だったら、どのような中古物件を選ぶだろうか…」と想像してみるとよいかもしれません。

効果的なリフォーム

とはいえ、家やマンションを売却する前にリフォームすることが、まったく無駄であるというわけではありません。なぜなら、同じような間取りで同じような価格の中古物件ならば、誰でも見た目がきれいな方を選ぶからです。では、家やマンションを売却する前に、どのようなリフォームを施すと効果的なのでしょうか?

お金をかけないリフォーム

家やマンションを売却する前のリフォームのポイントは、何と言っても「お金をかけないこと」。費用をあまりかけずにリフォームすれば、きれいになった分、売りに出している家やマンションが、より高く、より早く売れるかもしれません。

例えば、障子や網戸を張り替える、剥げているペンキを塗り直す、フローリングのワックスを塗り直す、トイレや洗面所などの狭い範囲の壁紙を張り替えるなど、自分でできる程度のリフォームならば、費用をあまりかけずに美しくすることができますよね。

掃除・整頓を見直す

また、リフォームではありませんが、不用品を捨てて掃除や整頓をするだけでも、家の中の印象がガラリと変わることは言うまでもありません。家の中だけではなく、マンションならばバルコニー、戸建ならば家の周りや庭などをきれいにするのも効果的です。

掃除や整頓のポイントは、買い手の気持ちになって客観的に見渡してみること。家族以外の人に、掃除した方がよい箇所を見つけてもらうのも一つの方法です。引っ越しの準備も兼ねて、一度徹底的に不用品を捨てて掃除をしてみてはいかがでしょうか?

まとめ

家やマンションを売る前にリフォームするかしないかの決め手は、ズバリ、リフォームにかけた費用のもとがとれるかどうか、ということです。お金をかけてリフォームしたものの、思ったような価格で売れなかったため、結局は損をしてしまった…ということだけは避けたいですよね。

少々汚れていたり古かったりしても、その分安くなっている方が売れやすい、ということはよくあります。リフォームしようかどうか迷った時は、売却を依頼する不動産仲介業者の担当者に一度相談してみるとよいでしょう。過去の経験から、どの程度ならば売れそうかという判断をして、アドバイスしてくれるはずです。

ただし、何の根拠もなく、やたらとリフォームをすすめてくる仲介業者には注意をする必要があります。自社と契約しているリフォーム業者に仕事をまわすために、必要のないリフォームを推している可能性があるからです。リフォームについて相談した時に不審な点があるようでしたら、他の仲介業者に査定をしてもらったり、相談してみたりする方がよいかもしれませんね。

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