家やマンションを賃貸で貸すのは手間とリスクが大きい

持ち家や分譲マンションに住んでいて困るのが、急な転勤などで転居することになったとき。賃貸に住んでいる場合だと住み替えをすれば済むだけの話ですが、持ち家や分譲マンションだとそういうわけにもいきませんよね。

どうしても売ってしまわないと、新しい転居先の準備ができない、という場合は別として、売らなくても特に問題がない場合は、売却せずに賃貸に出そうかと思う人もいるのではないでしょうか?

でも、ちょっと待ってください。一言で「賃貸に出す」と言っても、いろいろ手間がかかったり、リスクがあったりするのをご存じでしょうか?

ここでは、そんな賃貸の手間やリスクについて、まとめてみました。

賃貸に出す手間

家やマンションが空き家になったら、すぐに賃貸物件として貸し出すことができるかと言えば、決してそうではありません。実際には、いろいろな手間がかかります。では、どのような手間やお金がかかるのでしょうか?

内装をきれいしなければならない

いくらきれいに住んでいたとしても、何年も住んでいると、どうしてもいろいろな所が汚れてきます。特に、家具などを運び出したあとの畳や床、壁紙の汚れは結構目立つものです。もちろん、室内の汚れがそのままであっても、賃貸に出すことはできますが、他のきれいな物件と比べると、どうしても見劣りしますので、入居者が決まりにくくなるのは言うまでもありません。ですから、賃貸物件としての体をなすためには、通常、内装をきれいにしておく必要があると言えます。

借り主を探さなければならない

どのような物件であっても、広告を出すなどをしないと入居しようという人はなかなか現れません。入居者が現れないことには、賃貸に出しても意味がありませんよね。一般的には、入居者募集の広告など、管理会社や不動産会社にまとめてまかせることが多いようです。しかし、管理会社に入居者を探してもらうとなると、当然費用がかかりますので、家賃収入が減ることになります。

管理業務が必要になる

管理会社に管理を依頼しない場合、賃貸に伴うさまざまな雑務も、自分でこなさなければなりません。例えば、設備に不具合があった場合の対応や、家賃の管理、入居者と近隣住民とのトラブル対応などです。特に、入居者が家賃を滞納した場合の催促は、プロでないとなかなか難しいものがあります。しかし、家主となった以上、避けることはできませんので手間や労力がかかることになります。

家賃収入の税金の支払いがある

家賃収入が一定金額を超えると、税金の支払い義務が発生します。家賃収入による税金は、給与収入とは別に不動産所得として自分で確定申告をしなければいけません。もちろん、家賃として入ってきた金額すべてに税金がかかるわけではありません。そこから必要経費(内装のリフォーム代や広告代など)を差し引いた金額に税金がかかることになります。

では、不動産所得の税金はどれくらいになるのでしょうか?給与所得と不動産所得との合計額によって税率が決まるので一概には言えませんが、一例を挙げますと、年収が1000万円で不動産所得が100万円あった場合、約19万円の追加納付額となります。もちろん、それらの計算も自分でしなければいけませんし、税理士などに頼むとその分の費用がかかることになります。

以上に述べたような手間を引き受けてくれるのが、賃貸物件の管理会社です。管理会社と契約をして管理料を支払えば、これらの雑務を代行してくれます。しかし、家賃収入から高い管理料を支払うと、残りの金額が少なくなるのは言うまでもありません。それほど高い家賃収入が得られない場合は、あまり割に合わないと言えるでしょう。

賃貸に出すリスク

賃貸に出すのは、手間がかかるだけではなく、いろいろなリスクも伴います。次に、賃貸に出すことによるリスクを見ていきましょう。

高く売れにくくなる

実際に住んでいる家やマンションを売りに出す場合は、「個人の居住用」物件として通常の売却で売ることができます。しかし、賃貸用にしている家やマンションを売る場合は、「個人の住居用」ではなく「人に貸すための収益物件」という扱いになります。「収益物件」として売りに出されるものは、投資家や不動産会社などを対象としています。つまり、収益物件を探しているプロを相手にすることになりますので、どうしても通常よりも安い値段が付けられることが多いようです。

空室になると維持費がかかる

現在、賃貸物件は過剰状態にありますので、空き家になるリスクも考えておかなければなりません。空き家になると、当然ですが家賃収入が入ってこなくなります。しかし、その間の管理費や固定資産税などはかかりますので、収支がマイナスになることもあり得ることになります。空き家の期間が数ヶ月ならよいのですが、中には1年以上も空き家の状態が続いているというケースもあります。そのような状態になってから売りに出したとしても、先に述べたように「収益物件」となるため、高く売ることが難しくなってしまいます。

家賃の額が下がることも

賃貸に出している期間が長くなると、当然建物が古くなってきます。いくら内装をきれいにしたとしても、外観や設備が古くなってくることによって、入居者が決まりにくくなってきます。そうなると、どうしても家賃を下げて入居者を探すことになります。また、近隣に新しい賃貸住宅などができると、必然的に家賃を下げなければならなくなる場合もあります。ですから、よほど交通の便が良く人気の立地に建っているなど以外の場合は、最初に設定した家賃よりも下がっていくことが多いということを覚えておきましょう。

都合の良い時に空き家になるとは限らない

例えば、期限付きの転勤などの場合、とりあえずその期間は賃貸として出しておいて、また帰ってきた時は自分で住もう、と考えている人もいるようです。一見、合理的な方法のようですが、そこには落とし穴が。それは、ちょうどそのタイミングで入居者が退居してくれるかどうか、という問題が発生してくるということ。あらかじめ転勤の期間がはっきりとわかっていれば、期限付きの賃貸として出すこともできますが、期限付きだと、当然入居者が集まりにくい物件となりますので、空き家になるリスクが高くなります。

まとめ

賃貸に出す手間やリスクを知ると、「売却は面倒だし、とりあえず賃貸に出しておけば、家賃収入もあるからお得かも…」という考えは、なかなか厳しいものがあるということがおわかりいただけたのではないでしょうか?特に、期限がなく遠方に転勤になった場合などは、賃貸に出した物件の管理を続けることは、とても大変になります。ですから、特に家族や知り合いが住むので貸し出すなどの場合以外は、思い切って売却されることをおすすめします。「でも、売却は査定とかが面倒だし…」「どの不動産仲介業者にお願いしたらいいのかわからない…」という人は、インターネットの一括査定サイトの利用をおすすめします。複数の不動産仲介業者に一括で査定してもらうことができますし、その中から高く売ってくれそうな業者を簡単に選ぶこともできます。家やマンションの売却に、手間や労力、時間をかけたくない人は、ぜひ一度試してみてくださいね。

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