家を更地にする費用相場はいくら?更地にした方が売りやすい?

戸建て住宅の場合、築年数が経過している建物があるとなかなか売れづらいと言われ、解体費を自分たちで負担してでも更地にしてから売り出すケースが少なくありません。今回は本当に更地にした方が売れやすいのか?そして更地にする場合、どれくらいの費用が掛かるのかなどを解説していきたいと思います。

築年数が経過している戸建て住宅を売りに出す場合、多くの不動産業者は「建物を解体して更地にした方が売れやすいですよ」と言います。しかし、わたしたちプロからすればそれは「建物を解体して更地にした方が売れやすいです」ではなく、「建物を解体して更地にした方が売りやすい」という、業者側の都合のようにしか思いません。

たしかに解体してしまった方が売れやすい物件というのも多数あります。しかし、必ずしも築20年、30年経っているからといって解体して更地にした方が売れやすいとは限りません。

多くの人が家を売るなんて初めての経験だと思いますので、不動産業者や仲介業者の言いなりになってしまいがちですが、まずは自分たちである程度の知識を身につけておくことで、こういう業者側にとって都合の良い話を鵜呑みにして損をすることはなくなります。

売りに出す前に解体費用の試算をしておくのは絶対

更地にしてから売り出すのが決して悪いことだとは言いません。しかし本当に築年数が経過している建物は邪魔でしかないのでしょうか?

近年、「古民家ブーム」が来ているという話を聞いたことがありませんか?テレビ番組などでも古民家を改築して「古民家カフェ」にしたり、DIY(日曜大工)でリフォームして魅せる番組などがありますよね。このように今、まさに古民家がブームなんです。つまり古民家を買い、自分たちで好きなようにリフォームしたいという買主も増えています。ただ単に建物が古いから需要がない!と思いこむのは早計かもしれません。

じゃあとりあえず、建物が残っている状態で売りに出してみて、それでもなかなか買い手が現れなければ更地にすることを検討してみようか。と思うかもしれませんが、これも編集長からみればあまり良い方法だとは思いません。

建物を残した状態で一旦売りに出してみるのは悪いことではありませんが、まず売りに出す前に解体費用などをきちんと試算しておくことをおすすめします。例えば中古住宅の建物を残したまま2300万円で売りに出したとしましょう。そして買いたいと言う人が現れ、このような交渉を持ちかけられたとします。

『新築の家を建てようと思っているので、建物を解体する必要があるため解体費用分として150万円ほど値下げしてもらえませんか?もしそれでOKしてもらえるなら今ここで即決します』

さてあなたはどうしますか?
まず解体費用ってどれくらい掛かるんだ?って思いますよね。とりあえず仲介してくれている不動産会社に「解体費用ってだいたいどれくらいかかりますか?」って尋ねるでしょう。すると不動産会社はこう答えます。
「うちが解体をお願いしている業者だったら、だいたい150万前後ですね」

それならば150万円解体費用を負担したと思い、2150万円でOKしてしまうでしょう。もし事前に解体費用を試算しておけば、この150万円という値引きが妥当なのか、実は得をしているのか、損をしているのかすぐにわかります。

では実際に解体費用がどれくらい掛かるのかを解説していきたいと思います。

更地にするための費用

建物の解体費用は正直ピンキリですので、さきほど話したように150万円ほど掛かる場合もありますし、それ以上掛かることも、それ以下で済むこともあります。

実際に編集長が不動産会社に勤め出したばかりの頃、建物を解体して家を売りに出したいというお客様がいましたので、不動産会社の先輩に解体費用ってどれくらいですか?という質問をしたことがありました。

するとその先輩社員は「だいたい普通の木造住宅で150万〜200万くらい見ておけばお釣りが出るよ」と教えてくれました。わたしはその言葉を信じ、そのお客様に解体費用は150万〜200万程度だと伝えたのですが、そのお客様が独自に解体費用を調べており、だいたい100万〜120万くらいだと見積もりが出ていたんですね。なので、それが理由で当社がぼったくり不動産だと思われ、売却の依頼もすべて断れてしまったことがありました。

それをきっかけに私も自分で解体業者をまわり、各社の解体費用の見積もりを取ってみたのですが、それをみて唖然としました。同じ建物を解体依頼したのに、安い業者は80万円、一番高い業者だと185万円という見積もりが出たんです。

同じ間取りの家を建てるのに、総額2000万円の業者もあれば、3000万円の業者もあります。これは使う材料が違っていたり、内装品などの違いもあるので納得がいきます。しかし建物を壊して更地にするだけであれば、2倍以上の費用が掛かることに納得はいきません。

なぜこのように業者によって大きく金額が違ってくるのか?それは基本的に解体に関して相見積りなどを取る人が少ないからだと編集長は思います。解体となれば、多くのケースが売却を依頼している不動産業者に相談しますよね。そうなれば話の流れからその不動産会社から解体業者を紹介してもらいます。もしくは不動産業者が直接見積りを出してくることもあるでしょう。

このように売却依頼をしてる不動産業者に一任してしまうケースがほとんどで、自分たちで解体業者から相見積りを取り寄せるケースは稀なんです。つまり解体業者に見積り依頼をするのは、不動産業者だったり、家を建てるハウスメーカーというのがほとんどで、個人単位で解体業者に見積り依頼をするケースは本当に稀です。そのため解体費用というのは、長らく解体業者の言い値みたい感じいなることが多いんだと思います。

自分で解体見積りを業者に依頼することは可能なのか?

もちろん個人単位で解体業者に見積り依頼することは可能です。しかしそうなると今度はどうやって解体業者を調べればいいの?という問題に直面します。多くの解体業者は「○○興業」というように、その社名だけでは解体業者とはわかりません。

ですので、個人で解体業者を調べあげ見積り依頼をするのは容易なことではないんです。そうしたときにおすすめしたいのが、一括査定サービスです。

もちろん解体見積りの一括査定サイトもあるにはありますが、出来れば家の売却査定ができる「一括査定サービス」の方がおすすめです。その理由は同時に家の売却査定ができるってこともありますし、やはり売却業者をワンクッションかませておく方が何かと便利だと思うからです。

例えば自分たちで直接解体依頼をした場合、工事が延びて費用が割り増しになってしまったとか、最初の見積りと請求額が違っていた場合など、当然自分たちで解体業者にクレームを言わなければなりませんが、売却業者を挟んでおくことで、それらのクレームもすべて売却業者に言うことができます。

それに解体業者も売却業者が絡んでいることで適当な仕事は出来なくなりますし、管理体制がきちんと取れている方が何かと便利です。例えるなら家を建てようと思ったとき、自分たちで大工さんに直接頼むよりも、積水ハウスとか大和ハウスのようなハウスメーカーがいたほうがクレームを言いやすいですよね?

それと同じだと思ってください。町の不動産会社に売却依頼するのと大きく違う点は、最初から相見積りありきの依頼だってことを業者側が認識していることにあります。当然他の業者よりも高値の解体費用を提示することで売却の依頼を受けることが難しくなるのは百も承知なので、そこはきっちり解体費用も最安値の解体業者をみつけてくれます。

こうして売却の一括査定を依頼することで、おおよその売却相場も知ることが出来ますし、同時に解体する場合の解体費用の相場も知ることが出来ます。

実際に解体費用はどれくらい?

前置きが長くなってしまいましたが、解体費用の具体的な話をしたいと思います。まず解体費用は基本的に建築物の構造によって坪単価がおおよそ各業者決まっているはずです。
例えば以下のような感じです。

  • 木造住宅の解体相場 坪2.0万円〜4.0万円
  • 鉄骨造の解体相場 坪2.5万円〜4.5万円
  • RC造家屋の解体相場 坪3.0万円〜5.0万円

このように構造によって解体費用は全然違いますし、あと家の中に家財道具(タンスや冷蔵庫など)が残っていれば、それらの処分費用も掛かります。もっと言えば2tトラックや大型の重機が入らないような場所もありますし、そもそも車すら入らない場所だってこともあるので、そうなればかなり見積りも高額になってしまいます。

上の例はあくまでも一般的な住宅のケースであり、そこに色々な要素を含んで見積りを試算します。なので解体費用の相場は○○円です。というのはあまり書きたくないのですが、あえて書くとすれば編集長の体験談として聞いてもらえればと思います。

編集長がハウスメーカーで営業をしていたとき、何度か建物の解体をして新築住宅を建てたことがあります。このときの話しをするなら、一般的な木造2階建て住宅で40坪程度なら100万円〜120万円。平屋建ての木造であれば多少安くなり80万円〜120万円程度くらいでした。

不動産を高く売却したければ仲介業者選びが重要! 一括見積もりサイトを使って引越し料金を限界まで安くする方法

  このエントリーをはてなブックマークに追加