仲介業者が作る図面(マイソク)は必ずチェック!

不動産仲介業者に家やマンションの売却を依頼した場合、早く、高く売れるように、担当者がきちんと売却活動をしてくれているかどうか不安になりますよね。言うまでもありませんが、いくら良い物件であっても、売却活動がおざなりだとなかなか売れない…、価格が下がってしまう…という状況に陥ってしまいます。

仲介業者がしっかりと売却活動をしてくれているかどうかをチェックするためには、いくつかのポイントがありますが、その一つが「マイソク(図面)のチェック」です。「図面ならわかるけど、マイソクって何?」「どうやってマイソクをチェックすればいいの?」という人のために、マイソクとは何か、どのようにチェックすればいいのかについてまとめてみました。

「マイソク」について

まず「マイソク」とは何か、についてみてきましょう。

「マイソク」とは?

「マイソク」とは、売りに出されている家やマンションなどの、間取り図や概要などをまとめた資料のことを指します。マイソクは、売買の対象となる家やマンションなどの不動産物件だけではなく、賃貸の物件についても、もちろんあります。

では、なぜ物件の間取り図などを「マイソク」というのでしょうか?もともと「マイソク」とは、物件の間取り図などを作成して、不動産仲介業者などに配信している情報会社の社名です。しかし、そこから今ではそのような不動産物件についての資料自体をマイソクと呼ぶようになっています。また、そのような資料のことを「マイソク」以外に「販売図面」と呼ぶこともあります。

「マイソク」はどのように作られる?

マイソクをどのように作るかには、「こうでなければならない」というような決まりはありません。不動産会社の中には、マイソクの作成を外注しているところもありますし、社内で作成しているところもあります。マイソク専用のソフトで作成したものから、簡単な表作成ソフトで作成したもの、または手描きのものまでさまざまです。

また、記載する内容についてですが、マイソクそのものについては決まったルールはありません。しかし、ほとんどすべてのマイソクが、売却物件や賃貸物件の広告に掲載されることから、不動産広告として決まっている内容が盛り込まれていることがほとんどです。マイソク記載内容や見方については、次で説明いたします。

マイソクの内容と見方

マイソクに記載されている主な内容は、図面や物件の概要、取り扱っている不動産仲介業者についてなどです。それら一つ一つについて、見ていきましょう。

図面

図面は、土地ならばその形状や広さ、家やマンションならば間取りや広さについて図で表記されたものです。マイソクの中でも一番目を引くものですので、図面にはカラーにしたり写真を掲載したりして、力を入れて作成することが多いようです。

戸建やマンションの場合、間取り図面が掲載されていますが、ここで気をつけなければならないのが「畳」単位で記入している場合です。同じ1畳であっても、畳の大きさには京間、中京間、江戸間、団地間などがあり、順に小さくなっていきます。

不動産業界のルールでは、洋室の広さを畳換算して広告に記載する際、1畳1.62u(ほぼ中京間の大きさ)以上で表記することになっています。しかし、和室はそのまま畳数で表記されることがほとんどですので、どの畳を基準にしているかがわかりません。ですから、間取り図は畳ではなく広さ(u)で確認する方がよいでしょう。

物件の概要

図面の横や下に記載されている、その物件がどのようなものであるのかの表記です。主なものとして、物件の所在地、価格、建築年、構造、マンションならば管理形態や管理費、共益費など、戸建でしたら土地の権利や建ぺい率、容積率、用途地域(住宅地、商業地など)などが記載されています。

これらの物件そのものの情報に加えて、交通の便や周辺の環境(教育機関や病院、ショッピングセンターまでの距離、など)、設備(浴室乾燥、床暖房など)、アピールポイント(閑静な住宅街、リフォーム済みなど)が記載されている場合もあります。詳しい情報が掲載されているマイソクの方が、購入希望者の注意を引くことは言うまでもありません。

取扱業者について

一般的に、マイソクの下の部分に、その物件を取り扱っている不動産業者についての情報が記載されます。会社名や連絡先、宅地建物取引業の番号、担当者名などです。

それらの会社情報だけではなく、その物件の取引形態についての記載もあります。仲介ですと仲介手数料が発生しますが、代理や売り主の場合ですと仲介手数料は発生しません。

「マイソク」のチェックについて

不動産仲介業者に家やマンションの売却を依頼した場合、売りに出した自分の物件のマイソクに何が掲載され、どのように作成されているのか、のチェックは欠かせません。なぜなら、マイソクは購入希望者が最初に目にするものであり、物件の印象を大きく左右する可能性があるからです。ですから、積極的な売却活動のためには、マイソクがしっかりと作りこまれていることが必須となります。

では、実際にどのようにチェックすればよいのでしょうか?マイソクのチェック方法について、みてきましょう。

マイソクそのものをチェック

何と言っても一番大切なのは、マイソクの内容と見た目です。内容については、必要事項がきちんと間違いなく掲載されているか、売りに出しているあなたの家やマンションのアピールポイントをしっかりと明記しているか、などをチェックします。もし、間違いがあったり、アピールポイントの説明が不十分だったりした場合は、その旨を担当者伝えて修正してもらうようにしましょう。

見た目については、デザインやレイアウトの好みがありますので一概には言えませんが、最低限、カラー写真で、物件の外見や内装がよくわかるようになっているかどうかを確認してください。ピントがぼやけている写真や暗い写真だと、購入希望者によい印象を与えることができません。もし、そのような写真が使われていたら、変更してもらう必要があります。

また、間取り図の描写が分かりやすいか、水回りや収納の記載がきちんとされているかなどについても、しっかりと確認するようにしましょう。

レインズへの登録をチェック

不動産仲介業者と結んだ媒介契約が専属専任契約や専任契約の場合、仲介業者は依頼を受けた物件の情報をレインズ(不動産流通情報システム)に登録しなければなりません。レインズに登録すると、登録証明書をもらうことができますので、その内容をチェックします。

登録証明書の中でチェックする箇所は、図面(マイソク)が掲載されているか(掲載されていなければ、図面の項目に「無」と表記されます)、備考に「広告不可」と記載されていないか、です。もちろん、登録事項が正しく記載されているかどうかも、きちんとチェックしましょう。

レインズ登録の新ルールでチェック

2016年1月より、レインズの登録ルールが変更になりました。変更された2点についての説明と、チェック方法について説明していきます。

「売却物件の取引情報」を逐次記入することになった

これまでは、レインズに掲載した売却物件の情報は、売買契約が締結されて物件の情報がレインズから削除されるまで、登録した内容のままでもよし、とされていました。しかし、これだと自社で買い手を見つけて「両手媒介」にしたいがために、他の不動産業者から物件の問い合わせがきても、交渉中などを理由に紹介をしないという「囲い込み」がしやすい状況になります。

しかし、新しいルールでは、取引状況を逐次記入しなければならなくなりました。状況に応じて、@公開中(問い合わせを受け付ける状態)A書面による購入申し込みありB売り主都合で一時紹介停止中 を物件情報として記入することになります。「公開中」の場合は、他社からの紹介希望を拒否できないようになっています。この新しいルールによって、仲介業者は「囲い込み」をしにくくなったと言えるでしょう。

売り主が掲載情報を直接チェックできるようになった

これまでは、不動産仲介業者を介さないとレインズの掲載情報を確認することができなかったのですが、新ルールでは、不動産の売却を仲介業者に依頼した売り主が、業者を介さずに、直接自分で掲載情報をチェクすることができるようになりました。

確認するために必要なものは、レインズの登録証明書に記載されているIDとパスワードです。これらを使って、レインズのサイトにアクセスすると、レインズに登録している物件の内容、登録図面、取引状況やその履歴などを見ることができます。

この新しいルールを積極的に活用して、レインズに登録されている情報やマイソクをしっかりと確認しましょう。もし、情報の内容や図面に不具合があるようでしたら、遠慮せずに担当者にその旨を伝えて、変更してもらうようにしてください。

まとめ

家やマンションを購入しようとしている人にとって、マイソクはとても重要な情報源であり、そこから受ける印象が物件の印象に大きく影響します。わかりやすくて見やすく、情報や物件のアピールポイントがたくさん掲載されているマイソクを出していると、買い手が見つかりやすくなることは言うまでもありません。

ですから、あなたの売却物件を少しでも早く、高く売ろうとがんばってくれる仲介業者や担当者ならば、マイソクをしっかりと作りこんでくれます。反対に、それほど積極的な売却活動をしてくれない業者や担当者ですと、適当なマイソクしか作成してくれないかもしれません。

専属専任媒介や専任媒介で仲介を依頼した場合、定期的に売却活動の報告を受けることになりますが、その報告内容だけではなく、ぜひ自分自身でマイソクのチェックをしてみてください。そして、マイソクの作り方が不十分な場合は、どこに不満があるのかを担当者にきちんと伝えるようにしましょう。もし、それでも改善してくれないような業者でしたら、仲介業者の変更を考えた方がよいかもしれません。

あなたの売却物件の第一印象を良くするのも悪くするのも、マイソク次第と言っても過言ではありません。また、マイソクの完成度の高さは、売却活動の積極性と比例するとも言えるでしょう。マイソクとマイソクのチェックを上手に活用して、ぜひ売却を成功させてくださいね。

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