分譲マンションと比較すると一戸建て住宅は比較的自由にリフォームできます。
しかし、希望のリフォームが全て可能という訳ではありません。建築基準法で制限を受けたり、建物の構造によっては不可能なリフォームもあることを知っておきましょう。
そこで今回は、一戸建て住宅のリフォームについて「できる」「できない」を紹介していきたいと思います。
システムキッチンをI型からL型に変更できる?
システムキッチンはリフォーム工事のなかでも非常に重要が高い場所です。
I型キッチンをL型キッチンにすることは当然できますが、それだけシステムキッチンが場所を取ることになりますので、ある程度の広さがあるキッチンが要求されます。
このほかにも広さに余裕があればI型キッチンをアイランド(独立型)キッチンやオープンキッチン、対面式キッチンなどに変更することも可能です。
ガスコンロをIHクッキングヒーターなどオール電化住宅に変更できる?
分譲マンションと違い、戸建て住宅のオール電化への変更は比較的簡単にできます。
築年数が古い住宅の場合には電源を200V対応へ変更する必要がありますが、これは金銭的な問題は発生しますが簡単にできるので問題ありません。
ただし、IHクッキングヒーターなどは使用できる鍋などに制限がありますので、調理器具一式を買い直す必要がでてくる場合もあることを覚えておきましょう。
エコキュートなど電気温水器は、敷地内に大型のタンクを設置することになりますので、敷地内に設置スペースがあれば問題ありません。
リフォームで吹き抜けを作ることはできる?
構造によりますが、木造住宅であれば比較的簡単に吹き抜けを作ることは可能です。
しかし重量鉄骨造などの建物は、鉄骨で組まれている梁部分などを外したり移動することが不可能なので、吹き抜けをつくる箇所によってはかなり困難になります。
和室を洋室に変更できる?
和室を洋室に変更するのは思っている以上に容易にできますし、費用もさほどかかりません。しかし、これは畳の部分をフローリングに変更するという意味ですので、押入れをクローゼットに変更したり壁をクロス張りに変更するには料金がかかります。
間取りの変更などプランニングを変えることはできる?
子供部屋を繋げたりダイニングキッチンとリビングの境壁を無くすなど、間取りの変更は可能ですが、建築工法によって金額などに大きな違いがでてきます。
プランニング変更の自由度が高いのは木造軸組工法です。
その反面、鉄骨住宅などは移動できない梁などが数多く組み込まれていますので、木造ほどの自由度はありません。
さらに2×4住宅などは壁自体が建物を支えている構造になっていますので、壁を無くして部屋を繋げるなどのリフォームはかなり難しくなると考えた方が良いでしょう。
屋根裏部屋やロフトを作ることはできる?
新たに部屋を作るには容積率の問題などがありますので、安易に答えることはできませんが、屋根裏部屋やロフトなどを新たに作成するのはスペースがあれば問題ありません。
基本的に屋根裏などの物置きは高さが1.4m以内、2階部分の面積の8分の1以下であれば部屋としてみなされませんので、容積率などを気にする必要がありません。もちろんロフトもこれと同じです。
地下室を作ることはできる?
地下室を新たに作ることは可能ですが、それなりの出費になることは覚悟しておいた方が良いでしょう。
他にも容積率の問題もありますので、既存の建物が土地に対してどれくらいの容積率で建てられているのかを把握しておきましょう。
また地下室には一定以上の採光を確保するように建築基準法で決められていますので、これらの問題をクリアする必要があります。
平屋を2階建て、2階建てを3階建てにできる?
平屋建ての住宅を2階建てに増築リフォームするのは多少費用が掛かりますが基本的には可能です。もちろん、単純に2階部分を増築するだけでは耐久性の問題もありますので、構造的な補強が必要になります。
しかし、2階建て住宅を3階建てにするのは、平屋を2階建てにするほど簡単なことではありません。
2階建て住宅と3階建て住宅では家の土台となっている基礎の作りもまったく違いますので、どうしても3階建てに増築したいというのであれば、基礎部分から作りなおす必要があります。
そのため、現実的な問題からみてもかなり困難だと言えるでしょう。
新しく部屋を作り建物自体を広くすることはできる?
両親と同居することになったので1階部分に新たに和室の部屋を増築したいなど、今までになかった部屋を作ることはどの工法でも比較的簡単にできます。
ただし、問題になるのが上記でも書いているように容積率の問題です。
新たに部屋を増築することで法律上の容積率を上回るのであれば、その増築は土地の分筆などを行わない限り難しいといえます。
2階にトイレを新設することはできる?
2階部分にトイレを設置するスペースがあるということが前提となりますが、2階部分に新たにトイレを新設するのは可能です。
この時の注意点としては、1階トイレの上部に作ることが配管などの問題からみてもオススメです。
どうしても1階トイレの上部に作ることが難しくても1階部分の水廻りと近い場所であればさほど問題ありません。
汲み取りトイレを水洗トイレにリフォームできる?
汲み取りの和式便所を、水洗の洋式便所へリフォームしたいという要望は多いです。
下水道が整備されていない地域では無理だと思っている人もいるようですが、その場合には敷地内に浄化槽を設置するスペースがあれば問題ありません。
下水道関係は市町村などの自治体から補助金が出ている場合が多くありますので、かなり費用の節約にもなります。もちろん補助金申請など面倒な手続きは基本的にリフォーム業者が代理で行ってくれますので、一度相談してみましょう。