リフォームを取り上げた某テレビ番組をみていると、リフォームでどんなことでも出来るように思う方も多いようですが、某テレビ番組のリフォームはほとんど建替えに近いリフォームなので、一般的なリフォームの参考にするのは危険です。
実際のリフォームでは部屋をひとつ増築することさえ困難な場合があります。
基本的に間取りの変更やプランニング関係を含んでいるリフォームは、建物の工法によって大きく左右されるということを覚えておきましょう。
木造軸組工法
日本古来よりある伝統工法として知られているのが木造軸組工法です。
地元の工務店やハウスメーカーなどでも多く採用されている工法なので、基本的に一番身近な住宅工法と言えるでしょう。
木造軸組を採用しているハウスメーカーは「一条工務店」「住友林業」「タマホーム」などがあります。
木造軸組工法のリフォームに関してですが、増築や間取りの変更などに柔軟に対応できるように作られていますので、吹き抜けを作ったり、壁を抜いて部屋と部屋を繋げるといったことも比較的簡単に行えます。
そのため最もリフォームに適している工法だと言えます。
ツーバイフォー(2×4)工法
木造軸組と同様に木造住宅ですが、建築方法がまったく違っているのがツーバイフォー工法です。
ツーバイフォー工法は、カナダなどの北米で主に建築されている工法なので、カナダなどではツーバイフォー工法が日本の軸組工法のような在来工法ということになります。
ツーバイフォー工法は基本的に壁を組み合わせて作っていく建築工法なので、軸組工法のように柱や梁などはありません。
そのため、軸組工法のように間取りを変更したりというリフォームの自由度は大幅に落ちてしまいます。
ツーバイフォー工法でリフォームを検討する場合には、間取りやプランニングの変更は難しいので、外壁や設備類のリフォームを検討するのが良いでしょう。
プレハブ工法
プレハブ工法とは工場である程度仕上げた部材を現場で組み立てる工法を言います。
規格品であるため職人さんの腕の差が出にくい工法でもあります。
プレハブ工法といっても建物に使用する材質には「木質」「コンクリート」「鉄骨」などに分かれています。
鉄骨系であれば木造軸組と同様に梁や柱などを用いているのでリフォームの自由度はかなり高くなっています。
しかし、コンクリートや木質系のプレハブ工法は、ツーバイフォー工法と同様の建築法なのでリフォームの自由度は低くなります。
鉄骨造
鉄骨造には「重量鉄骨造」と「軽量鉄骨造」があります。
重量鉄骨と軽量鉄骨の違いは、使用される鉄骨の厚みの違いで決まっています。
厚みが6mm以下の物を軽量鉄骨。6mm以上のものを重量鉄骨といいます。
リフォームの自由度は軽量鉄骨が低く、重量鉄骨が自由度は高くなっています。
ただし、間取りや構造体の変更など以外は比較的自由にリフォームが可能です。
日本の住宅で最も多い「積水ハウス」や「大和ハウス」などは軽量鉄骨造が主流となっています。
鉄筋コンクリート造
鉄筋コンクリート造も「ラーメン構造」と「壁式構造」の2種類に分類されます。
しかし、基本的にラーメン構造は高層マンションなどに採用されていることが多く、一般住宅では壁式構造が主流となっています。
壁式構造とは、ツーバイフォー工法同様に壁を組み合わせた構造となっていますので、間取りの変更などのリフォームにはあまり向いているとは言えません。
上記で紹介したように住宅にも様々な建築工法があり、それぞれに特徴があります。
リフォームを検討する際には、まず既存の住宅がどの工法で建築されている建物であるかを把握することから始めるのが鉄則です。