ある程度の築年数が経つと、リフォームした方が良いのか?、それとも建替えた方が良いのか?と悩んでいる人も多いと思います。
ただ、一概に築年数だけで判断できないのが住宅事情です。費用はもちろんですが、他にも家族構成や将来的な利用用途などを総合的に判断してリフォームと建替えの判断をしていくことになると思います。
今回は、リフォームに適しているケースや建替えに適しているケースを詳しく紹介していきたいと思いますので、ぜひ参考にしてください。
今の家の状態を把握する
築年数がある程度経っている家でも、しっかりした材木や腕の良い職人さんが建てている住宅であれば、リフォームで十分に間に合うケースも少なくありません。
当然ですがその逆の場合もあり、築年数が浅い家でも基礎部分が腐食していたり、地盤が沈下していたりという欠陥部分が多数見つかる場合もあります。
このように構造的な欠陥が見つかってしまうと、リフォームしても莫大な費用が掛かってしまいますので、当然リフォームよりも建替えを選択するのが良いでしょう。
つまり、「使える部分がどれくらい残っているのか」というのがリフォームと建替えを判断する目安となります。
これらは素人がいくら勉強しても、そう簡単にわかるものでもありませんので、リフォームか建替えかで答えが出ない場合には、建築士などの専門家に現状を調査してもらい、今現在の家の状態をしっかり把握するようにしましょう。
金額面から判断する
家族内においてリフォームと建替えで意見が割れているのであれば、いっそうのこと希望のリフォームプランと建替えプランの両方で見積もりを取ってみましょう。
ある程度具体的な金額を把握することで、リフォームと建替えの現実が見えてくる場合もあります。
いくら建替えを望んでいても、新たな住宅ローンが組めない場合もありますし、リフォームが予想以上に費用が掛かる場合もあるからです。
法律の面から判断する
築年数がある程度経っている住宅の場合には、住宅を建てている地域の建築基準法をもう一度調べてみる必要があります。
住宅の規制などが決められているのが建築基準法であり、この法律が建築した時代と現代では大きく変わってしまっている地域も珍しくありません。
つまり、建築当時には厳しい規制は無かったのに、現在は規制が掛かり建築面積などを制限されている場合があります。
このような土地の場合には、建替えると今の住宅よりも狭い家しか建てられないというケースもあります。しかし一方でリフォームであれば面積などの規制を受けないというケースもあるのです。
家族構成から判断する
住宅のリフォームや建替えなどを検討するのは、多くの場合が家族構成を考えてのことだと思います。
子供が成長したから子供部屋を用意してあげたい、逆に子供が独立したから不要な部屋を有効に利用したい、あるいはご両親の介護が必要になったからバリアフリー住宅にしたいなど、家族のライフスタイルの変化は住宅事情と切っても切れないものとなっています。
今後も30年以上住み続ける予定があるのであれば、建替えを検討してもよいでしょう。
また子供は独立してしまい、両親の介護の問題も発生しないというのであれば、リフォームを選択するというのもありです。
家族の将来的な利用用途によって、リフォームと建替えを判断するのがもっとも合理的だと思います。
もし、あと1〜2年で子供が学校を卒業する場合などは、子供が地元で就職するのか、県外の会社に就職するのかなどでも将来的なビジョンが大きく変化すると思います。
このようにライフスタイルの変化が近くまで迫っている場合には、その時期まで待ってから判断しても良いのではないでしょうか。
プラン内容で判断する
リフォームの最大の欠点は、間取りなどプランを思いのままに変更できないということです。
既存の柱など、どうしても撤去できない構造体も少なくありませんので、間取りなどのプランにどうしても制限が掛かってしまいます。
どうしてもこのようなプランに変更したいという希望があり、その希望通りのプランがリフォームで実現不可の場合には、当然建替えしか方法はありません。
リフォーム工事が向いているケース
- トイレやキッチンなどのポイントリフォームの場合
- 内装や外装の張り替えだけを望んでいる場合
- 建築基準の問題で建替えると不利になる場合
- 子供部屋の間取り変更など小規模のプラン変更の場合
- 寝たきりの高齢者と同居しており、仮住まいなどが難しい場合
- 築年数も浅く、構造的な問題も発生していない場合
- 子供が独立しており、将来的に住宅を居住予定の人がいない場合
- 将来的に売却も視野に入れている場合
- 住宅ローンの返済中であり、新たな借入れが困難な場合
建替え工事が向いているケース
- リフォーム費用と建替え費用の差額が少額の場合
- 基礎や土台など構造的に致命的な問題が発生している場合
- 建築基準法などが緩和されたことで現在の住宅よりも大きな住宅の建築が可能な場合
- 完全分離型の2世帯住宅や3階建て住宅など大幅な改修箇所が発生する場合
- 火災や地震などで大規模な被害を受けた場合
- 築年数が古く、十分な耐火・耐震などの構造が確保できていない場合
- 地盤沈下などが理由で建物全体に被害が及んでいる場合
- 建物全体にシロアリの被害が及んでいる場合
- 建物全体をバリアフリー住宅に変更することで多額の公的補助金が見込める場合
- 建物全体の老朽化が進み、専門家などにも建替えを勧められている場合
- 公共事業で敷地の大部分を取られてしまう場合
上記で紹介したように、リフォームと建替えの判断基準は非常に難しいというのが実情ですが、建築上の法律問題、資金的な問題、将来的な家族構成など、ライフスタイルの問題を総合的に判断して検討することをオススメします。