今回は内覧時のチェックポイントをまとめておきたいと思います。内覧時の参考にして下さい。
内覧では素人でもチェックできる点と、任意売却物件プロにお願いしなければチェックすることが出来ない点があります。多少費用が掛かっても最終的には建築士などプロの方に同行してもらうことも考えましょう。
日当たり・方角
室内に入ったらまずすべての部屋の電気を消して貰いましょう。電気を消すことによって日当たり具合を的確にチェックすることができます。
また、窓を全開にしてもらうのもオススメです。季節によってはちょっと寒いかもしれませんが、風通しなどをチェックするには一面の窓だけを開けても意味がありません。
時間帯によって日照具合には違いがありますので、どの方角に面して建てられているのか、洗濯ものを干すバルコニーがどの方角にあるのかもチェックしておきましょう。
窓とバルコニー
窓のチェックは重要です。とくに掃きだし窓はリビングにあり、部屋の中で一番大きな窓になりますので、必ずチェックしておきましょう。
チェックするポイントはペアガラスを使用しているかです。シングルガラスの場合だと結露などが心配なので、窓周辺にカビが発生していないかを細かくチェックしてください。
またシングルガラスを使用してある場合には、ペアガラスへの交換が可能なのかもチェックが必要です。窓ガラス部分は共用部分となっている場合が多いので、勝手にリフォームすることができません。
騒音の確認も忘れてはいけません。窓を閉めている状態と開けている状態で騒音はかなり違いますので、かならず窓の開閉をした状況で、車の騒音や近所で遊んでいる子供の声などをチェックしておきましょう。
バルコニーに実際に出てみてコンクリート部分にヒビ割れなどが発生していないかと、手摺り部分にひどい錆が発生していないかもチェックしておきましょう。
さらにバルコニーから建物周りを見渡して、周りに大きな空地・駐車場・工場などがないかもチェックしてください。このような空地や建物があると、将来的に高層マンションなどが建つ可能性があり、日照問題などが生じる可能性があります。
子供部屋
子供部屋のチェックポイントとしては、やはり日当たりが重要だと思います。ベッドを置く予定の位置に大きな窓があったりすると良いでしょう。
また、子供部屋にする予定の部屋は、なるべくリビングを通って行ける部屋の方が良いとされています。これは子供が思春期になると自分の部屋に閉じこもったりするので、少しでも家族のいるリビングを通って部屋に向かう事でコミュニケーションが取れるからです。
間取り
間取りは一番興味がある項目ではないかと思います。部屋の広さやキッチンなど細かくチェックしましょう。
小さなお子さんがいる家庭では、キッチンからリビングが一面見渡せるのが理想です。家事をしている時に小さい子供の姿が見えるだけで安心度が随分と違ってきます。
さらに重要になるのが動線です。家事を行う奥様にとって動線は絶対に見逃せないポイントですので、あらかじめこれまでの家事と炊事の際の動線をまとめておくようにしましょう。
間取りを見ているだけではわからない部分も多数あります。必ず内覧時に間取り図をもらって帰るようにし、家に帰ってから間取り図に実際に使用いしている家具などのサイズを計り配置してみましょう。このようなシミュレーションをするためにも、内覧時には間取り図に部屋のサイズなどをしっかりと明記しておくのを忘れないでください。
水廻り
中古マンションのチェックポイントとして一番重要になってくるのが水廻りです。
水廻りといえば「キッチン」「バスルーム」「トイレ」「洗面台」などがありますが、どれも取り替えるとなると高額です。万一購入後すぐに寿命がきてしまっては余計な出費となり家計を圧迫してしまいます。
とくに築年数が経過しているようなマンションの場合、給排水管まで取り替えるとなると数百万円という金額になることも珍しくありません。
一般的にキッチンやバスルームなど水廻りの寿命は15年〜20年といわれています。
15年を経過しているような物件で、水廻りの取り替えやリフォームなどの対策を行っていない物件については、値引き交渉などで対応してもらうように相談してみましょう。
購入と同時に水廻りのリフォームを検討している場合には、構造によっては壁の撤去できない物件もありますので注意が必要です。
床と天井
床と天井のチェックポイントは、二重床や二重天井になっているかという点です。ここ15年くらいのマンションは、ほとんどが二重床や二重天井を採用していますが、築年数が経過している物件などには直床や直天井といった物件がありますので要チェックです。
二重床や二重天井になっていれば、断熱性も防音性も高くなっていますし、給排水を扱うようなリフォーム工事も比較的容易にできます。しかしコンクリートに直接床や天井クロスを貼っているような物件であれば、コンクリート内に給排水管が埋蔵されているので、リフォーム時などに相当な出費が掛かってしまいます。
床から天井までの高さですが、ひと昔前までは2m40pが一般的でしたが、最近の物件は2m50pや2m70pという物件も良く見かけます。
天井が高ければ開放感がありますが、冷暖房などが利きにくいというデメリットもあります。建築基準法では2m10p以上となっていますが、あまりに低いと圧迫感がありますので、2m40p〜2m60pほどが理想だと思います。
壁の厚さ
マンショントラブルで多いのがやはり騒音問題です。そのため、防音性能は大事になります。マンションでは隣世帯と隔てられている壁のことを界壁(かいへき)と呼びます。
界壁は厚ければ厚いほど防音性能は高いと言えます。一応10pほどあれば構造上問題ないとされていますが、最低でも15p、理想としては20pほどあると良いでしょう。
防音性能はD値という基準で表すようになっています。新築時のパンフレットなどが残っていれば確認することができると思います。D値の基準については下記にわかりやすくまとめてみました。
- D-35:隣世帯のテレビや日常的な会話がはっきり聞こえるレベル
- D-40:隣世帯のテレビや日常的な会話がかすかに聞こえるレベル
- D-45:隣世帯のテレビや日常会話がほとんど聞こえないレベル
- D-50:隣世帯のテレビや日常会話が聞こえないが大声などを出すと聞こえるレベル
- D-55:隣世帯のテレビや日常会話はまったく聞こえず大声で歌っても聞こえないレベル
D-45以上の物件を選ぶのが理想です。界壁はコンクリートが理想なのですが、マンションによっては軽量気泡コンクリート壁(ALC)を使用いしている物件もありますのでチェックしておきましょう。
電圧
電圧に関しては40A(アンペア)以上を目安にしましょう。また物件によっては管理規約でアンペア数を勝手に変更できないと定めている物件もあります。オール電化などを検討している場合には最低でも60A程度は必要になりますので、電圧の変更が可能なのかを事前に確認しておきましょう。
その他のチェックポイント
上記で紹介した以外にも、コンセントの数や位置、携帯電話の電波状況などをチェックしておきましょう。
また素人が見ただけではわからない部分も多数あります。下記にまとめたような項目については、仲介業者に調べてもらうか、多少の費用が掛かっても建築士や内覧同行サービスなどを行っている業者に頼むのも良いでしょう。
- 床の水平度チェック
- 壁の厚みや構造材
- 床のスラブ厚や天井部分の構造
- 断熱材の素材や厚み
- 給排水の配置や劣化状況
- 保温性能や断熱性能
- 撤去可能な壁と撤去不可の壁
東京や大阪など大都市圏では、内覧時に同行してくれる専門の業者がありますが、地方部になるとそのような専門的な業者を見つけるのは困難です。そのような場合には、リフォーム工事を前提として業者の専門家が無償で同行してくれる場合もありますので相談してみましょう。