中古マンション内覧時に確認しておきたいこと

中古マンションを購入する際に、これだけは事前に確認しておきたいとう項目をまとめてみました。

新築・中古に限らず、購入を考えているのは今後あなた自身が生活をしていく大切な場所です。
あまり細かな部分は聞きにくいと思う人もいるかもしれませんが、購入後に後悔しないためにも遠慮なく質問するようにしましょう。

確認しておきたい項目

内覧時のチェックポイントは、別項目の「中古マンション内覧時のチェックポイント」で紹介していますので、今回は実際に確認するのが困難な修繕や保証などについてまとめてみました。

  1. 過去の修繕工事
  2. 今後の修繕計画
  3. 修繕積立金の状況
  4. 賃貸として貸し出されている部屋の有無
  5. 事務所や店舗として利用している部屋の有無
  6. リフォーム工事に関する注意点
  7. 保証範囲やアフターサービスの期間

上記7項目ですが、1〜6は管理組合、7については販売業者や仲介業者へ確認するようにしてください。

過去の修繕工事

過去に行われた修繕工事を確認することで、管理組合が適正に運営されているのかを判断することができますし、過去の修繕が計画的に行われているのかも把握することができます。

築年数が経過している物件であればあるほど、過去にどのような修繕工事が行われているのか気になりますよね。
築10年〜15年くらいで外壁の塗り替えやヒビ割れの補修などが行われるのが一般的ですが、築20年以上経過している物件でこのような修繕工事が1回も行われていないのはやはり問題だと思います。

購入を予定している物件が決まっている場合などは、購入予定が無い他の物件も数棟見学して、過去の修繕工事を比較することをオススメします。

今後の修繕計画

過去の修繕工事同様に大事なのが、今後の修繕計画です。

今後の修繕計画を確認することで、計画的に修繕工事が行われているのかチェックすることができますし、購入後すぐに大規模な修繕工事が計画されている場合には、修繕積立金としてまとまった金額を請求されるケースもありますので要注意です。

修繕計画としてどれくらいの期間で計画されているのかも確認しておきましょう。
5年という短期の計画しかない場合よりも、15年や20年という長期での計画をしっかりと組んでいる物件の方が安心です。

さらに修繕工事の内容も大事です。単純に外壁の塗り替えだけでなく、共用部分でもあるエレベーターや駐輪場などの修繕・改修計画が組み込まれているのか、建物全体の防水や給排水などの設備に関する修繕計画が組み込まれているかも確認しておきましょう。

また、修繕計画だけでなく、エレベーターや防災器具などの定期的な点検がちゃんと行われているかも同時に確認しておくことも大事です。

修繕積立金の状況

修繕積立金が計画的に積み立てられているのか必ずチェックしておきましょう。
修繕積立金の管理がおろそかになっていると、大規模な修繕工事などが発生した場合に入居者から一時積立金として多額の費用を徴収するというケースが考えられます。

入居者のなかには毎月の管理費や修繕積立金を滞納している世帯も珍しくありません。
滞納世帯が増えると計画的な修繕や定期点検を行うことができなくなります。

具体的な滞納者は当然教えて貰えないでしょうが、全世帯のなかで滞納世帯がどれくらいあるのかなどの比率や滞納世帯などへの対応方法も確認しておくようにしましょう。

賃貸として貸し出されている部屋の有無

分譲マンションだからといって全ての世帯が所有者だとは限りません。
なかには転勤などの諸事情で賃貸として貸し出している部屋があるかもしれません。

ちょっと厳しい言い方ですが、賃貸として多くの部屋が貸し出されている分譲マンションは、それだけで価値が下がってしまうというのが実情です。

賃貸で借りている人は自分の所有物ではありませんので、所有者よりも物件に対する思い入れが低いというのは当然です。
そのため、毎月の管理費などを滞納している世帯も多く、共用施設などの使用も雑な人が多いようです。

さらに一生住み続ける訳ではありませんので、他の世帯とのコミュニケーションを嫌がったり、マンション全体の掃除や集会などにもほとんど参加しないという場合もあります。

つまり、賃貸で入居している世帯が多ければ多いほど、マンション全体の意思の疎通が悪くなり、急を要する修繕工事などにも影響を及ぼす可能性が高いということです。

事務所や店舗として利用している部屋の有無

最近では分譲マンションを賃貸として貸し出している部屋も多くあります。
賃貸として借りる人の中には、部屋を事務所や店舗として使用する人も少なくありません。

最近多く目にするのが、部屋の一室で占い業を経営したり、個人エステ店を経営しているというケースです。

占いやエステは大きな音がする訳ではありませんので、騒音などの問題はないのですが、それらの店舗を経営している部屋があるということは、お客さんや業者など部外者の出入りが多くなるということです。そうなると路上駐車や敷地内での無断駐車なども増えてしまう恐れがありますし、セキュリティ面での心配も出てきます。

さらに最近よく耳にするのが、デリヘルなどの風俗店の事務所があることを知らずに中古マンションを購入したというお話です。

このような風俗業者が同じマンション内にあると、奇抜な格好をした女性の出入りなども頻繁にあり、子供の教育上問題があると思う人も少なくないでしょう。

マンション自体で店舗や事務所としての利用を禁止している物件も少なくはありませんので、気になる方は利用規約などをしっかり確認しておくようにしましょう。

リフォーム工事に関する注意点

中古マンションの購入と同時に、室内の間取りや設備品などをリフォーム工事をされる人が多くいますが、この際に注意しておきたいのがリフォーム工事の範囲です。

一般的に分譲マンションンは所有者が自由にリフォームできる専有部分と、マンション全体に所有権がある共有部分に別れています。

当然、共有部分を勝手にリフォームすることは出来ません。共有部分と聞けばエレベーターなどを想像する人も多いと思いますが、実は室内であっても、構造躯体と関係している耐力壁や給排水設備などについては、マンションによっては共有部分となっている場合があるからです。リフォーム工事を検討している場合には、リフォーム工事の許容範囲をしっかり確認しておくことをオススメします。

さらに間取りの変更など、大規模なリフォームを考えている場合には、マンション自体の構造もしっかり確認しておきましょう。

マンションのほとんどが「壁式構造」と「ラーメン構造」によって建築されています。
間取り変更などの大規模リフォームを検討しているのであれば、撤去できない耐力壁がある壁式構造ではなく、間取り変更の自由度が高い「ラーメン構造」で建築されているマンションの方が断然オススメです。

保証範囲やアフターサービスの期間

新築の分譲マンションを購入するとアフターサービスや保証などが必ずあります。
しかし、中古マンションの場合には販売業者や仲介業者によって保証がまったく無いという場合も珍しくありません。

とくに、地域密着の小規模不動産などが仲介している物件は要注意です。

また、保証を付けてくれる場合でも、構造部分や設備部分など箇所によって保証期間が違ってくると思います。「最長10年の安心保証」という業者であっても、どの部分が何年の保証となっているかをしっかりチェックしておきましょう。

保証やアフターメンテナンスなどは非常に大事ですので、口約束や口頭での説明だけでなく、しっかりと書面に残しておくことをオススメします。

仲介業者側が用意している保証に関する規約書などは、専門用語などが多く使われていますので、あなた独自で保証に関する質問書を作り、業者側に記入してもらうという方法も良いと思います。

以上の項目で紹介した内容は非常に大事なことばかりです。口頭だけの説明では後になって「言った」「聞いてない」という水掛け論になる可能性もありますので、できるだけ書面に残すようにしておくことをオススメします。