地元工務店といっても、社長兼従業員というように1人でやられている会社もあれば、従業員10名〜20名を抱えている中規模工務店、従業員100名以上の大規模工務店などもありますので、メリット・デメリットが全てに該当する訳でないことをご理解ください。
地元工務店のメリットを紹介
宣伝広告費がないので安い
全国展開しているハウスメーカーは、テレビCMや雑誌・チラシなどへの掲載費など、莫大な宣伝広告費を捻出する必要があり、それらは当然みなさんの建築費へと反映されます。
しかし、地元の工務店であればせいぜい新聞折り込みチラシ程度で、テレビCMなどの宣伝費は必要ありません。
建築費(坪単価)に余計な費用が含まれていなため、結果として建築費を安く抑えることができます。
これは、広告費に限らず、人件費やモデルハウスの維持管理費など、すべてにおいて同じことが言えます。
地域密着なので悪いことができない
地元工務店などは、上記で書いているように大々的なテレビCMなどは行いませんので、基本的には、過去のお客様からの紹介や口コミに頼っている部分が多いのです。
そのため、地元での評判にはすごく気を使っています。地元で悪い評判が流れてしまうと、ダイレクトに売上へと響くからです。
つまり、手抜き工事や粗悪品を使用するなど、悪いことが出来ませんので当然信用度は高いと言えるでしょう。
実際の評判を聞くことができる
地元の工務店ということもあり、実際にその工務店で家を建てている人は、知り合いなどにもいるはずです。
全国展開しているようなハウスメーカーであれば、実際に家を建てた人の声はインターネットなどを通してしかみることができませんが、地元工務店であれば、知り合いなどから実際に建てた際の生の声を聞くことができます。
このように周りの友人や知人から、実際の感想や評判を聞けるのは本当に大事だと思います。
地元工務店のデメリットを紹介
工法が木造に限られる場合が多い
工務店の8割〜9割は木造住宅と考えておいた方が良いでしょう。
軽量鉄骨やプレハブ住宅を希望しているのであれば、地元工務店で建てるのは、ちょっと難しいかもしれません。
もちろん、工務店でもプレハブや軽量鉄骨に対応してくれる場合もありますが、ノウハウや知識、経験という面で心配の方が大きくなってしまうのは容易に想像できてしまいます。
知り合いだとクレームが言いにくい
地元工務店で家を建てた方に話を聞くと、知り合いだったから安くしてもらえたという人が結構多いです。
確かに知り合いであれば、多少の値引きもしてくれるでしょうし、値引きの交渉もしやすいかもしれません。
しかし、その住宅がもし欠陥住宅だった場合に、知り合いに対して裁判を起こしたり、賠償請求をしたりできるのだろうかと心配になります。
目先の金額のことばかりで、先々の不安まで考えていない人があまりにも多い気がします。
倒産する可能性が高い
全国展開しているハウスメーカーでも、倒産するときは倒産してしまうでしょう。
しかし、ハウスメーカーと地元工務店のどちらが倒産する可能性が高いかというと、それは間違いなく財力が乏しい地元の工務店だと思います。
実際にわたしが知っている工務店でも、8分譲地ほどの小さな土地開発を行い、その分譲地全体が軟弱地盤であったために、賠償問題が原因となりあっけなく倒産してしまいました。
このようにわずかな保証問題でも、体力がなく倒産してしまう地元工務店は決して珍しくありません。
アフターメンテナンスの問題
地元工務店であれば何か問題が発生した場合でも、すぐに対応してくれるというメリットがあります。
ただし、地震や台風などの自然災害を想定した場合はどうでしょうか?
ハウスメーカーであれば、被害を受けた地域に全国のアフタースタッフを集結させて対応したり、地元設備会社に自己資金を投入して依頼することもできます。
しかし、小規模・中規模の地元工務店であれば、アフター専門のスタッフなどせいぜい数名しかいません。
その数名が、地域全体のアフター活動を行う訳ですから、相当な時間が掛かってしまうことが予想できます。