住宅と同じように住んでいるご家族も歳をとっていくものです。新築で建てた際は30代や40代という年齢だった家主も、今では60歳代を迎えているという家庭も少なくないでしょう。
加齢と共にカラダは段々と衰えてくるものです。そこで、今回は住宅のバリアフリーを考えてみたいと思います。
バリアフリー住宅で絶対に欠かすことができないのが「段差」「温度差」「空間」という3項目です。
段差がない住宅
住宅の中には思っている以上に段差があります。階段などの段差とは違い、玄関部分の段差、通路と部屋の段差、洗面所とお風呂場の段差など、小さな段差が高齢者には非常に辛いのです。
高齢になるとわずかな段差でもつまずいてしまい、骨折など大きな怪我の原因にもなります。
このような小さな段差を極力無くすことがバリアフリー住宅への第一歩でもあります。
温度差がない住宅
リビングなどは暖房で暖かくても、トイレや洗面所へ行くと凄く寒いと感じることはありませんか?
このような急激な温度差は、健康被害をもたらす大きな原因になっています。急激な温度差は脳卒中などを引き起こす原因にもなっており、「ヒートショック現象」と言われています。
家庭内において、このような温度差が原因の「ヒートショック現象」で亡くなる方は、年間およそ14,000人以上といわれており、なんと交通事故死亡者の約3倍という驚きの数字なのです。
では、どのような対策があるかと言いますと、まずは住宅内の温度差を無くすことがもっとも大事なので、高気密・高断熱住宅などで、住宅内の温度を一定に保てるようなリフォームを心がけましょう。
狭さを感じない住宅
トイレ・通路・玄関などは、十分なスペースが確保できていないと、若い年代のうちは不自由に感じない部分でも高齢者にはとても不自由する場所です。
とくに、車椅子を必要としている家族がいる場合には、早急なリフォームが必要となります。
リフォームでバリアフリーを取り入れる場合には、車椅子利用者が不自由しないような空間作りを心がけましょう。
介護保険を活用する
日本国が定めている介護保険法により、家族内に介護支援を要するような方がいる場合には、一定の条件を満たすことでバリアフリー住宅へのリフォーム補助金を受けることができることをご存知でしょうか?
金額は20万円が上限となっており、うち居住者が1割(2万円)だけ負担することになっています。
各市町村などの自治体に受付窓口がありますので、詳しくは最寄りの相談窓口で確認してください。
その他にも各自治体によっては、バリアフリー住宅へのリフォームに対して補助金をだしている場合があり、自分が住んでいる地域の各自治体のホームページなどを参照すると記載されていると思います。
介護保険が対象となるリフォーム工事
上記で紹介した介護保険を利用したリフォーム工事の対象となるのは以下のような部分です。
- 階段や玄関部分、トイレ・浴室などへの手すりの取り付け費用
- 玄関や階段の滑り防止や円滑な移動のために畳や絨毯などの床材をフローリングへ変更
- トイレや居室を開戸から引戸へ変更したり、ドアの取り替え費用
- 和式便器を様式便器へ変更する取り替え費用
上記に該当する各工事に付帯する必要な工事費用
このように細かく制限がありますので、介護リフォームに詳しいリフォーム業者に相談することをオススメします。