居住しながら売るのと、空き家状態で売るのはどちらが得策か?

家やマンションを売りに出すとき、自分たちが住みながら売りに出すことは可能なのでしょうか?もし可能だったとして、住みながら売るのと空き家の状態にして売るのではどちらが売れやすいのでしょうか?

空き家の状態にした方が早く売れると説明する不動産業者も少なくありませんが、これはケースバイケースなので一概にどちらが良いとは言えません。住みながら売りに出すのと空き家の状態にして売りに出すケースのメリットやデメリットを解説していきたいと思います。

住みながら売りに出す場合

住みながら売りに出す最大のメリットは現所有者から直接話を聞くことができる点です。どのような部分がおすすめなのか?近隣住民はどんな人たちなのか?子供が通っている学校の雰囲気などもアドバイスしてあげることができます。

つまり自分たちが第二の営業マンになり物件をアピールすることができるのが住みながら売りに出す最大のメリットであることを理解しておくことで、おのずと内見希望者を迎えるとき、どのような話をしてあげるのが良いのか?購入希望者はどのような話を聞きたがっているのか?などが解ってくるようになります。

これは早期売却にも繋がる大きなメリットなので、色んな面で工夫をして内見者たちを迎えるようにしましょう。

元不動産営業マンという立場からアドバイスさせて頂くなら、いかにも早期売却を希望していますよ!という雰囲気を部屋全体で作っておくことです。例えば引越し用のダンボールを部屋の片隅に積んでおくとか、荷造りが進んでいる状態を見せることで、「早く契約しないと他の誰かに先を越されてしまう」という危機感を持たせることができます。

住みながら売りに出すデメリット

続いてデメリットも考えてみましょう。メリットもあれば当然デメリットとなる部分もあります。一番のデメリットとなるのが、いつ内見希望者が現れるかわからないという点でしょうか。平日の夕方17時に売却依頼している不動産業者から電話が入り「これから内見希望をお連れしてもいいでしょうか?」と言われるのは日常茶飯事です。もちろん「これから夕食の準備なので今日はすいません」なんて断るわけにもいきません。このような理由で断るのであれば早期売却は難しいと思った方が良いでしょう。

だってあなたの家やマンションを買ってくれる人は、あくまでもお客様なんです。自分たちが車を買いに行こうとディーラーに電話をしたとして、「今日はこれからお昼ごはんなので今日はすいません」って断られたら「はぁ?」ってなりますよね?

せっかくお客様があなたの家を買ってもいいかなと思ってくれているのですから、そこはどんな事情があってもお客様を最優先で考えなければなりません。もちろん「これから掃除をするので1時間後にお願いします」なんてのも絶対NGです。

いつ連絡があっても内見者を迎えることができるよう、つねに部屋の掃除や整頓は欠かせません。それが売れるまで毎日のことなんですから、これはかなりの負担になります。

そしてもう1つデメリットがあります。住みながら売る場合、生活感が出てしまい購入希望者の購買意欲を削いでしまう可能性がありますし、家具家財道具があることで部屋全体が狭い印象を持たれてしまいがちです。

空き家にしてから売りに出す場合

次に空き家の状態にしてから売りに出す場合のメリットやデメリットについて説明していきます。空き家状態で売りに出す最大のメリットは、いつでも購入希望者の都合よい時間帯に物件案内ができることです。

空き家状態の物件の場合、カギを不動産業者に預けるのが一般的です。ですので、不動産業者は所有者の在宅状況や都合を考慮することなく、いつでも好きな時間帯に物件案内ができます。これは実はかなり大きなメリットでもあります。

購入希望者の中には、仕事が終わって夕方以降に内見をしたいという人も多いのですが、所有者が生活している物件だとやはり時間帯などを気にして夕方以降の案内は遠慮されてしまいます。しかし空き家の状態なので、いつでもお好きな時間に案内できますよ!と言っておけば、夕方くらいに電話があり「これから案内してもらっていいでしょうか?」と、内見に繋がる可能性が格段に高くなります。

その他にもメリットはあります。例えば空き家で家財道具などが無い部屋だと自分たちの生活スタイルをイメージしやすくなります。あそこにテレビを置いて、ここにソファーを置いてなどと夢のマイホーム生活をより身近に感じれるようになりますし、なにより家財道具がないことで部屋が広く感じます。

空き家で売りに出すデメリット

空き家の状態にして売り出すデメリットはそんなにありません。あえて何か挙げるとするなら、次の新居が決定しない場合でしょうか。次の新居もまだ決まってないのに、わざわざ自分たちはアパートなどに引っ越してまで空き家状態にして売りに出すのは良い方法だとは思いません。たしかに買い手は早くに見つかる可能性が高くなりますが、引越し費用だったり、賃貸を借りる初期費用など金銭的な面で負担が大きくなります。

そしてもう1つのデメリットが、不動産業者の営業マンの手腕に頼る部分が大きくなってしまうことです。居住しながらであれば自分が物件の良さを最大限にアピールすることも可能なのですが、空き家の状態であればわざわざ所有者が内見に立ち合ったりすることは稀です。

そうなると営業マンの手腕ひとつで契約になるか、他の物件に流れてしまうかが大きなポイントとなります。ちょっと頼りないなと思う営業マンであれば、不動産業者にお願いして営業マンを変更してもらうことも視野に入れて良いですし、自分たちでアピールポイントを作成して、それを営業マンに勉強しててもらうことで物件の魅力をできるだけ内見者に伝えることができます。

まとめ

編集長としては空き家の状態にできるのであれば、なるべく空き家にしてから売りに出すことをおすすめしますが、どうしても居住しながらの売却を希望するのであれば、それなりの対策や準備は常に怠らないようにしておくことをおすすめします。また居住状態、空き家状態に関わらず、自分たちで物件アピールポイんを作成しておくことでより契約につながる可能性が高まるのは間違いありません。

アピールポイントとは、物件周辺の地図(スーパーの位置、学校までの距離)などは必要ありません。これはグーグルマップなどを見れば誰でもすぐに調べることができるからです。それよりも所有者にしかわからないこと、例えば近隣住民との人間性が良好であるとか、町内行事、近隣で遅くまで診療できる小児科や歯科医院、スーパーの特売日などです。マンションであれば組合の活動状況などもアピールポイントになると思います。

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