「すぐに売れるだろう」と思って家やマンションなどの不動産を売りに出したにもかかわらず、いざ、売却活動を始めてみるとなかなか売れず、そうこうしているうちに1年近く経ってしまった…。このようなケースは、決してめずらしいことではありません。
特に、転勤などの急な引っ越しで、どうしてもある期日までに売らないといけない場合ではなく、希望の条件(○○千万円以上など)で売れるまで待っているような場合、1年経っても売れない、という状況に陥りやすくなります。
ここでは、そのような1年経っても売れないマンションをかかえてしまった場合、どのようにすればよいのかについて、考えてみたいと思います。
売れない理由を考えてみる
1年以上売れないマンションの場合、まず、なぜ売れないのか、その理由をきちんと考えてみる必要があります。漠然と「どうしてだろう」と考えているだけでは、解決の糸口は見つかりません。一つ一つ、きちんと確認していきましょう。
価格と相場をチェック
マンションが売れない場合の一番の原因は、何といっても「価格」です。極端な話ですが、とても古くて不便な立地のマンションであっても、タダ同然の安い価格で売られていれば、そのような物件を探している買い手が現れる可能性があります。
1年経っても売れないマンションの場合、売り出し価格が、周辺のマンションの相場よりも高い場合がほとんどです。まず、あなたが売りに出しているマンションと同じような築年数、広さ、立地条件のマンションを周辺から探し出して、そのマンションがいくらで売られているのか、いくらで売れた実績があるのかを調べてみましょう。
対策ポイント
周辺の相場をチェックしてみて、あなたのマンションが相場よりも高い売り出し価格を設定していたことが判明した場合、残念ですが売り出し価格を下げる必要があるかもしれません。当然ですが、同じような条件のマンションなら、多くの人は安い方を購入するからです。
それでも、どうしても価格を下げたくない場合は、周辺の同じような条件のマンションと差別化できるようなポイントを、積極的にアピールしてみましょう。例えば、キッチンを最新式にリフォームしている、床暖房や浴室乾燥を設置している、ジムやパーティルームなど、マンションの共有施設が豪華であるなどです。
価格以外で勝負できるようなポイントがあるかどうか、もう一度、今、売りに出しているマンションを見直してみてはいかがでしょうか。
仲介業者の売却活動をチェック
周辺のマンションの売り出し価格や成約価格の相場と比べて、あなたのマンションの売り出し価格が適切であった場合、次にチェックすべきポイントは、仲介業者の売却活動です。
売却を依頼して媒介契約を結んだら、あとは仲介業者の担当者にお任せ…といった状態になっていませんか?もし、これまで売却活動の内容を把握していないのでしたら、ぜひ一度、きちんと活動内容を報告をしてもらうことをおすすめします。
新聞の折り込みチラシやインターネットなど、どのような媒体を使って、どれくらいの範囲まで広告を出しているのか、これまでに反響がどれくらいあったのかなど、今までの売却活動の経緯や内容をきちんと報告してもらうようにしましょう。
対策ポイント
もし、広告媒体や広告範囲などの売却活動に問題があるようでしたら、改善してもらうように仲介業者の担当者に申し入れする必要があります。適切な売却活動かどうかがわからない時は、他の不動産仲介業者に相談してみてもよいかもしれません。
しかし、売却活動に対する要望を伝えたところで、必ず改善してくれるという保証はどこにもありませんよね。ですから、売却活動が十分でなかった場合は、仲介業者を変えるというのも一つの手です。
売却を依頼した仲介業者を変えることに、ためらいを感じる人もいるかもしれません。しかし、あなたのマンションが売れるかどうかは、仲介業者や担当者の売却活動の善し悪しにかかっていると言っても過言ではありません。
あまりにもいいかげんな売却活動をしているようでしたら、他の仲介業者に改めてマンションの査定をしてもらった上で、思い切って仲介業者を変更してみることをおすすめします。
その他、売るためのポイント
次に、周辺の物件の相場と売り出し価格の比較と、仲介業者の売却活動のチェック以外の、売るためのポイントについてみていきましょう
内覧者を逃さない
広告を出してもまったく反響がない場合は別として、内覧に来る人がいるにもかかわらず、売れないという場合はどのようにすればよいでしょうか?
内覧に来るということは、当然ですが、購入する意志のある人です。そのような人が、内覧した上で購入しないということは、内覧で購入するまでの魅力を感じなかったということです。
購入希望者が、内覧後に「買おう!」と決心するような物件にしていきましょう。例えば、不要な物を処分して整理整頓をする、室内を徹底的に掃除してきれいに整えるなど、購入希望者が良い印象を抱くような「すてきな生活」が演出できるように、ひと手間かけてみることをおすすめします。
買い取り業者の利用を考えてみる
売り出し価格を下げても売れるかどうかわからないし、近所に価格を下げたことを知られたくない…といった場合、思い切って買い取り業者の利用を考えてみるという手もあります。
買い取り業者が買い取ってくれる価格は、相場よりも2〜3割ほど安くなってしまうというデメリットがあります。しかし、周囲に価格を下げたことを知られることはありませんし、何といってもすぐに売れますので「いつ売れるだろう」という思いをすることがなくなります。
買い取ってもらえる価格と、値下げをする予定の価格とが大きくかけ離れていないようでしたら、買い取り業者を利用するという方法も、考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
売り出し始めてから1年経っても売れないマンションがある場合、どうすればよいのだろう…と途方にくれますよね。でも、だからといって何も行動を起こさずに待ち続けているだけでは、何も改善されません。
周辺の同じようなマンションの相場を調べたり、売却を依頼した仲介業者の広告活動をチェックしたりするなど、今、できる改善ポイントを探して、一つずつ実行していきましょう。思わぬところに、見落としていることがあるかもしれませんよ。
それでもどうしても売れない場合は、大幅に売り出し価格を下げる、買い取り業者を利用するなど、思い切った対策が必要になってくるかもしれません。売れること自体が大切なのか、いくらで売れるかが大切なのか、自分自身で譲れないポイントを改めて確認した上で、どのような方法を選択すればよいのかを考えてみてくださいね。