ハウスメーカーのサイトや住宅建築関連の書籍などをみると、「高気密・高断熱住宅」という言葉を多く見かけると思います。
高気密・高断熱ってなんとなく言葉のニュアンスでは理解しているけど、その内容までは詳しく知らないという方が多いのではないかと思います。
また、高気密・高断熱住宅と同様に、乱用されている言葉が「健康住宅」です。
この健康住宅についても高気密・高断熱住宅同様、少し噛み砕いて簡単に説明していこうと思いますので、参考にしてください。
高気密・高断熱住宅とは?
高気密・高断熱住宅とは、ひとことで言ってしまえば、住宅そのものの密封性が高く、断熱性能に優れた住宅ということになります。
住宅を高気密・高断熱仕様にすることで、冷房や暖房の効果が長時間にわたり持続することで光熱費を大幅に抑える効果があり、住宅全体を一定の温度に保つことができるため、お風呂場やトイレなどのヒートシック対策としても有効です。
高気密・高断熱住宅の人気は高く、ハウスメーカーも競うように高気密・高断熱性能をアピールしているのが現状です。
しかし、日本国内において高気密・高断熱住宅に対して、明確な基準が設けられていないことをご存知でしょうか?
解かりやすく言うと、性能を10段階評価するとして、評価が5の住宅でも、評価が10の住宅同様に高気密・高断熱住宅と言えてしまうのです。
高気密・高断熱住宅の比較方法
高気密・高断熱住宅を効率良く見分ける方法があります。
あまり聞いたことが無いかも知れませんが、高気密・高断熱を測定する数値があり、それらを「Q値=熱損失係数」「C値=隙間相当面積」といいます。
Q値とは、熱を失う量を数値化したもので、数字が小さいほど室内の熱を外に逃がしにくくなります。
C値とは、建物の隙間面積を表す数値のことです。当然数値が低いほど、気密性が高い住宅ということになります。
高気密・高断熱に関しては、営業マンのトークに惑わされないためにも、客観的に数値で判断するのが一番得策だと思います。
それと、Q値とC値に関しては、ハウスメーカーのパンフレットなどでも目安の数値が紹介されていると思いますが、同じメーカーであっても住宅ごとに数値は変わりますので、必ず完成後に数値を計ってもらうようにしましょう。
健康住宅とは?
高気密・高断熱住宅の普及が進むにつれて深刻化しているのが、健康問題です。
住宅と健康にどのような関係があるのか?と疑問に思う方も多いと思いますが、シックハウス症候群という言葉を聞いたことがないでしょうか?
このシックハウス症候群とは、住宅に使用されている化学物質が原因となり、人体に悪影響を及ぼすことをいいます。
主な原因とされているのが、シロアリ対策用に用いられている薬品と壁紙や合成材に用いられているホルムアルデヒドという接着剤です。
これらの化学物質を人体に取り込むことで、頭痛や吐き気、目の痒みや喉の痛みな度の症状が引き起こされる場合があります。
これらの症状を発症すると、わずかな化学物質にも反応してしまうようになり、日常生活さえも困難になるケースも珍しくありません。
そこで、注目を集めているのが「健康住宅」というわけです。
ただし、現時点でシックハウス症候群を予防する明確な対策はありません。
住宅展示場を見学した際に、目が痒くなったり、必要以上に咳がでたり、頭痛や吐き気を感じた場合には要注意でしょう。
とくに症状を正確に訴えることができない、小さなお子さんがいる家庭では、住宅展示場などでのお子さんの様子をしっかりと見極めてあげることが大事です。