今回は住宅ローンの債務が残っている状態で不動産を売却出来るのかという問題について簡単に説明していきたいと思います。

市場に出回っている中古住宅や中古マンションは住宅ローンが残っている物件がほとんどです。つまり、住宅ローンが残っている状態でも不動産の売却は可能だということです。

ただし、必ず売却できるという訳ではありません。売却する為にはいくつかの条件をクリアする必要があります。

住宅ローン残債がある不動産を売却する条件とは

住宅ローンが残っている状態ということは、すなわち抵当権が設定されていると考えるのが一般的です。

抵当権とは住宅ローンの返済が不可能になった場合の担保という意味です。

この抵当権を抹消してもらうには住宅ローンを全額返済することが条件になっています。
つまり、売却価格で住宅ローンの一括返済が可能な場合には同時に抵当権の抹消も行えますので、売却が可能という訳です。

売却価格よりも住宅ローン残高の方が高い場合

それでは売却価格よりも住宅ローンの残債が多い場合にはどうなるのでしょうか？

この場合に考えられる方法としては差額分の住宅ローンを現金で一括返済することが条件で抵当権を抹消してもらえます。

つまり、売却価格が1600万円なのに対し住宅ローン残債が2000万円の場合には差額の400万円を現金で一括返済しなければなりません。

さらに売却を不動産会社に依頼している場合には仲介手数料などの諸費用も必要になりますので、必要な現金は500万円くらいを考えておかなければありませんので注意してください。

任意売却を利用する

上記で説明したように差額が発生する場合には差額分を一括返済する必要があるのですが、数百万円というお金を一括で支払うのはかなり困難ですよね。

そこで活用したいのが任意売却です。銀行や保証会社と相談して残った残債を分割支払いにしてもらうことで抵当権を抹消してもらうことが出来る場合もあります。

ただし、これは金融機関や保証会社によって対応がマチマチですので、必ずしも合意を貰えると言う保証はありません。

どうしても住宅ローンの返済が困難な場合には生活苦の現状を理解してもらうまで何度でも交渉するしか方法はありません。金融機関も保証会社も返済不能として債務整理されるよりは全額回収を望むはずですので、理解してくれるまで頑張りましょう。