不動産会社の多くは、他社の管理物件までを自社情報としてインターネットや賃貸雑誌に掲載しています。なぜ、他社の物件まで掲載しているのかというと、それは両社の利害関係が一致しているからです。
物件情報を他の不動産へ提供している不動産会社のことを「元付け業者」といい、家主との兼ね合いなどから、早急に入居者を決めなければならないなどの理由があり他の不動産に物件情報を流しています。
他の不動産の物件情報を掲載している不動産会社は、自社で取り扱っている物件数が少ないので、他社から情報を借りてでも物件数を増やしたいという思惑があるのです。ちなみに、他社の物件を紹介する不動産会社のことを「客付け業者」といいます。
元付け業者のメリット・デメリット
元付け業者とは、家主から直接物件の管理や入居者の募集を委託されている不動産会社です。複数の不動産会社が募集しているような物件を借りる場合には、他社物件の可能性が高いので、元付け業者を見つけることが重要なのです。
元付け業者で部屋を借りるメリット
- 家主と直接連絡が取れるのは、元付け業者だけですので、家賃交渉などがスムーズに進む
- あなたを担当してくれた営業マンが入居後も対応してくれることになる
- あなたを直接接客した不動産会社が入居審査を行うことが多いので、比較的審査が通りやすい
元付け業者で部屋を借りるデメリット
- 家主から管理まで委託されている場合には、家主寄りの不動産会社が多いので、トラブル時などに不動産業者は家主側の味方になる
- どうしても部屋を借りて欲しいので、強引な営業をしてくる場合がある
客付け業者のメリット・デメリット
客付け業者とは、自社に適正な物件が無い時に他社の物件を紹介する不動産業者のことを言います。客付け業者で部屋を借りる、といろいろな不都合が生じる場合もありますので注意しましょう。
客付け業者で部屋を借りるメリット
- 残念ながら、客付け業者で部屋を借りるメリットはほとんどありません
客付け業者で部屋を借りるデメリット
- 入居後のトラブルなどは、管理している不動産会社に問い合わせないといけない
- 家賃交渉などをすると、元付け業者を経て家主に連絡をするので、時間も掛かり、成功率も低い
- 客付け業者と元付け業者で同じ物件に対して入居の申込みがあった場合は100%元付け業者のお客さんが優先される
元付け業者と客付け業者を見極める方法
- 家主に直接電話を掛けている場合は、元付け業者の可能性が高い
- 内見時に他の部屋の入居者とバッタリ会った場合などに、親しく話している場合は元付け業者の可能性が高い
- 内見時に他の不動産会社に鍵を借りに寄る場合は客付け業者の可能性が高い
- 家賃交渉や物件の詳細を質問した時に、他の不動産会社に訪ねている場合は、客付け業者の可能性が高い
- 物件に他の不動産の看板が出ている場合は、客付け業者の可能性が高い
このようなに元付け業者から物件情報を借りている場合を「他社物件」という言い方をしますが、不動産会社や地域によっては、「流通物件」という言い方をする場合があります。
インターネットや賃貸情報誌に同じ物件が多数掲載されている時は、オーナー物件の可能性もありますが、まずは「他社物件」「流通物件」という疑いを持った方が良いでしょう。