交渉すれば賃貸物件でも値引きをしてくれる場合も

賃貸物件を借りる際に家賃交渉や初期費用の割引交渉を行っている人は実際にどれくらいいると思いますか?

私は、最近まで実際に不動産会社の営業マンだったのですが、私が勤めていた不動産会社では、家賃や初期費用の割引を交渉してくるお客さんの割合は、家賃の値引き交渉で7〜8人に1人、初期費用の割引交渉だと1年間に1組〜3組程度しかいませんでした。

例えば、不動産会社にカップルで物件探しに来られたお客様がいるとします。不動産会社の営業マンは必ず最初に地域・広さ・家賃の希望を聞きます。

そのカップルは1DK以上の物件に駐車場付きが絶対条件で、家賃8万円以下を希望していました。私はカップルの希望に合う地域で家賃が7万6千円、8万1千円、8万8千円という3つの物件を提示しました。もちろん8万8千円の物件が1番ハイグレードな物件です。

しかし、そのカップルはまず家賃をみて8万8千円の物件を予算オーバーという理由で除外したのです。

私からすれば、なぜ8万8千円の物件をダメ元で家賃交渉してこないのだろうというのが本音なのです。不動産営業マンの立場から言わせてもらえば、物件によって金額に違いはありますが、5割〜7割程度の物件は家賃交渉可能だからです。

私の中では、8万8千円の物件ならば、5千円値引きの8万3千円でも十分家賃交渉できる物件だと思っていたのです。

しかし、確実に家賃の値引きが出来るという確証がない場合には、営業マンから「この物件はもしかしたら家賃値引き出来るかも知れませんよ」という話はなかなか切り出しにくいのが現実です。

だからこそ、本音を言えば「お客様の方からもっと値引き交渉の要望を出して欲しい」と思うことが何度もありました。

あまり期待値を上げるような話ばかりはできないので、あくまでも参考程度に効いて欲しいのですが、私の経験では家主と家賃交渉をして、「1円も値引きして貰えなかった」というケースはほとんどありませんでした。

いつも物件のお世話をしてもらっている不動産会社の営業マンが家賃交渉をしてくれば、家主もよっぽどの理由がない場合を除き、「家賃は1円たりとも下げる気はない!」などと頑固な姿勢は示しません。

大抵の場合は、「いつもお世話になっている○○さんがそこまでいうなら、2000円くらい下げてもいいよ」と言ってくれるのです。

ここまでの話でも解かるように、

  • 賃貸物件の多くは、実は家賃値引きが可能だということ
  • 家賃値引きを実現してくれるかは、担当してくれた営業マンと家主さんの親密度が大きく関係している

ということを覚えておくと、きっと後で役に立つと思います。

家賃値引きしやすい物件の条件

それでは、家賃交渉がしやすい物件というのを具体的に紹介していきたいと思います。家賃交渉がしやすい物件の代表例を下記にあげてみました。

  • 空室の状態が長期間続いている物件
  • 低層階にしか空室がない物件
  • 繁忙期を過ぎても入居者が決まっていない物件

これらの条件に当てはまる物件なら、家賃の値引き交渉がかなりやりやすくなるはずです。

空室期間が3ヶ月続いている物件は狙い目

まず1番目の「空室状態が長期化している物件」についてですが、もし3ヶ月以上空室が続いている物件があれば、かなりの確率で値引き交渉は成功すると思います。

例えば、家賃8万円の物件が3ヶ月間空室のままだと、単純に家主にとっては24万円の損失ということになりますよね。この24万円という金額は、仮に家賃を1万円値上げしたとしても、回収するのに丸2年(24ヶ月)かかる金額であり、非常に大きな損失と言えます。

ということは、このまま空室が続くくらないならば、逆に1万円家賃を値引きしてでも早く入居者を確保した方が、家主にとっては利口な方法だと言うことになります。

仮に1万円値引きしたとしても、その契約が2年未満であれば、3ヶ月の空き室状態よりも損失は少ないわけですから、家主側としてはさっさと入居者を決めてしまった方が、心情的にもずっと安心できるからです。

1階部分は家賃交渉のチャンス

2番目の「低層階の物件」についてですが、多くの方が認識しているように、賃貸物件は低層階よりも高層階の方が人気があります。また、高層階になるにつれて家賃が割高になるのは周知の事実でしょう。

そこで家賃交渉のチャンスになるのが、1階部分などの低層階の賃貸物件です。特に1階部分は泥棒などの防犯上の問題や、道路沿いであれば車の騒音問題、または覗きや痴漢などの問題が危惧されます。

これらの事実は多くの方の共通認識になっていますので、上階の入居者よりも家賃が低くても文句を言う入居者はほとんどいません。

実際に家主の多くは、家賃を少し下げてでもいいから早く入居者を確保したいと思っているので、そこを口実に値引き交渉を行えば成功確率は高くなります。

家主側としても、万一すでに入居している方に家賃を下げたことを知られてしまったとしても、「1階部分だから家賃を下げた」という口実ができますので、低層階の物件は家賃改定が比較的簡単に行える物件でもあります。

時期による家賃交渉術

賃貸物件の繁忙期は、皆さんもご存知のように転勤や新生活が始まる3月〜4月です。ついで子供が夏休みの7月〜8月と言われています。

家主側は、例え3月〜4月の繁忙期で入居者が決まらなくても、7月から始まる第2繁忙期で決まるだろうという楽観的な考えをもっています。

しかし、第2繁忙期でもある7月〜8月に入居者が決まらないとかなり焦ってきます。さらに年末も引っ越しシーズンといわれておりますので、家主はなんとか冬までには入居者を確保したいと思っているのです。

そこで家賃交渉のタイミングですが、最も私が有効な期間だと思うのは10月〜11月です。第2繁忙期も終わり、年内には入居者の確保をしたいと思っている家主が多いので、家賃交渉が最も成功する時期だと思います。

さらに年末にかけては、なにかと物入りになるのは家主でも同じです。そんな時期に敷金や前家賃などのまとまったお金が手元に入ってくるのは家主にとって非常に助かるのです。

家賃と共益費の値引きならどっちがお得?

家賃8万円+管理・共益費1万円の物件を例に説明していきたいと思います。

不動産会社との値引き交渉の末、5000円の値引きに成功しました。その際、不動産会社は既存の入居者との兼ね合いもありますので、家賃は現状のままで、共益費から5000円値引きで如何でしょうか?と提案してくるはずです。

もちろん5000円値引きに成功しただけでも非常に嬉しいことなのですが、できればあと1歩踏み込んだ交渉をしてみましょう。それは「共益費」ではなく、「家賃」から5000円値引きをお願いしてみるという意味です。

不動産会社が言う、既存の入居者との兼ね合いというのは、不動産会社が良く使う手段の1つであり、これは単純に不動産会社の利益の問題に過ぎません。

なぜ共益費でなく、家賃からの値引きをオススメするかというと、初期費用などを大きく抑えることが可能だからです。カラクリは非常にシンプルで、初期費用で支払う敷金が3ヶ月分だとすると、これは単純に家賃の3ヶ月分なので、共益費は含まれないため、これだけで15000円の差が出るからです。

さらに、不動産会社に支払う仲介手数料も家賃の1ヶ月分ですが、当然共益費はここでも含まれませんので、また5000円の差がつくわけです。

合計すると初期費用だけでも20000円もの差がつくというわけですね。さらに言えば、2年毎に行われる契約更新でも、手数料は「家賃の1ヶ月」という不動産会社が多いので、ここでも5000円お得になります。

値引き交渉するタイミング

次は家賃の値引き交渉をするタイミングについて紹介します。家賃交渉は大きくわけると2つのタイミングがあります。

  1. 物件の申込みをする際に交渉する
  2. 入居申込みの審査が通った際に交渉する

1つ目の「物件の申込みの際」についてですが、これは家賃交渉する意思があることを相手に伝えておく絶好のタイミングです。内見終了後に不動産会社で入居申込みというのは、不動産会社では理想的な流れです。この際に、ある程度の家賃交渉を持ちかけてみましょう。

ただし、この時点で本格的な家賃交渉をする必要はありませんので、軽く家賃の交渉が可能であるかくらいの確認でもOKです。

なぜ、この時点で本格的な家賃交渉をする必要がないかというと、入居審査という大きな壁が残っているので、不動産会社もこの時点で家主にまで家賃交渉をすることがないからです。

最も効果的なタイミングは入居審査後

家賃交渉の最も効果的なタイミングは入居審査が通過した直後です。不動産会社から「入居審査が無事通りました」という連絡があると思いますが、この時こそが家賃交渉の最大のチャンスです。

入居審査が通ってしまえば、不動産営業マンにとって何も障害はありませんので、もう確実に1件の契約が取れたと思っているはずです。営業マンは毎月売上のノルマがありますので、確実に売上が望めるお客さんは簡単には諦めません。

交渉方法としては、

「実は、あれからいろいろと考えたのですが、どうしても家賃が少し高い気がして悩んでいます。あと○○円家賃を値引きして貰えるなら今すぐ正式に申込みしてもいいのですが・・・なんとか家主さんにお伺いしてもらう事はできませんか?」

といった感じで交渉をするのが一番成功確率が高いでしょう。

わかりやすく言えば、これは「値引きさえしてくれるなら確実に契約する」という約束のようなものなので、不動産業者の営業マンとしても、最後の一押しと言うことでがんばってくれるはずです。

ただし、1つだけ絶対に守って欲しいことがあります。それは、電話での値引き交渉はしない、ということです。もし入居審査OKの連絡があったら、必ず不動産会社へ直接出向くようにしてください。そして、営業マンに面と向かって直接交渉するようにしてください。

これは、営業マンが本当に家主に電話をしてくれるかどうかを確認するためです。営業マンによっては、家主に電話した振りをして「家主さんに交渉してみたのですが、どうしても家賃の値引きは無理でした」と嘘をつく人もいるので、値引きの成功確率を上げたいならば、面倒でも直接出向くのが一番です。


というわけで、家賃交渉のタイミングや家賃交渉のチェックポイントなどを説明してきました。

家賃の値下げ交渉を成功させるためには、

  • マイナスポイントを的確に指摘すること
  • 家賃交渉をするタイミングをよく考えること

の2つがポイントになってきますので、このことを頭に入れた上で、賃貸物件探しをはじめましょう。

家賃交渉は100%成功する訳ではありませんが、交渉するのはもちろんタダですので、ダメ元のつもりでチャレンジした方が絶対にお得だと思います。

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