最近、「仲介手数料無料」という不動産会社が増えていますが、このカラクリについて簡単に説明していきたいと思います。
賃貸物件を仲介する際、不動産会社の利益となるのが、この「仲介手数料」なのです。その唯一の利益を0円にするのですから、当然それにはカラクリがあります。
仲介手数料無料という物件には、3つのカラクリが考えられます。
1:自社物件である
仲介手数料という物件で、まず考えられるのが、仲介をしている不動産会社が所有している自社賃貸物件という可能性です。自社が所有している物件なので、当然仲介業務は発生しませんので、仲介手数料を取ることは禁止されています。
この自社物件を見極めるコツとして、その不動産会社で紹介している賃貸物件の一部だけが仲介手数料無料となっている場合は、自社物件の可能性が高くなります。
また、物件情報の欄にある取引形体という箇所に「自社物件」と書かれていることもありますので、物件情報は隅々までチェックするようにしましょう。
2:家主からのフィードバックがある
仲介手数料無料となっている物件の多くが、礼金1ヶ月や2ヶ月が必要だと書かれているはずです。礼金とは、大家さんへ支払う謝礼金のことです。つまり、大家さんへ「部屋を貸してくれてありがとうございます」という意味で支払われる金銭のことを指しています。
敷金とは違いますので、この礼金は部屋を退去する際に返還されることはありません。
この礼金こそ、仲介手数料無料というカラクリとして多く利用されているのです。つまり、本来大家さんが礼金を望んでいないにも関わらず、不動産会社の判断で礼金を徴収して、それを自社の利益としているケースがあります。
また、賃貸物件の多くは、入居者を決めた時点で、不動産会社や営業担当に対して、大家さんから特別手当てを貰えることも珍しくありません。この特別手当て代として、礼金が使われるのです。
3:管理費で利益を確保する
上記でも書いたように、不動産会社が賃貸物件の仲介で得ることが利益は、「仲介手数料」だけです。その仲介手数料を無料にしているのですから、当然物件の仲介によって不動産会社が得る利益は0円ということになります。
しかし、不動産会社が賃貸物件で得ることが利益には、管理費というものがあります。これは、入居者が居る物件を大家さんに代わって管理することで、毎月大家さんから頂くことができる費用です。
大家さんとの契約状況によって管理費の額はまちまちですが、一般的には家賃の5%くらいが相場となっています。つまり家賃10万円の賃貸物件であれば、毎月大家さんから管理をしている不動産会社に対して、5000円が支払われることになります。
当然、賃貸マンションやアパートは1世帯ではありません。10世帯のマンションであれば「5000円×10世帯=5万円/月」という管理費が家主から貰えるわけです。
また、なかなか入居者を確保することができなければ、その不動産会社が無能だと家主は判断し、他の不動産会社へ管理を移行することが考えられます。
そうなると、毎月の管理費も当然貰えなくなりますので、それであれば仲介手数料を0円にしてでも、1日でも早く入居者を確保して大家さんの信頼を高めたいというのが不動産会社の考えでもあります。