私は不動産会社の元営業マンなのですが、もし私が賃貸物件を探すとしたら、絶対的な条件に「営業マンの質」というものを入れておきます。
仮に100%条件に合う、物件が見つかっても、担当してくれている営業マンが信用できないような人物であれば、100%契約しません。それくらい、賃貸契約に関しては営業マンが大事だということです。
営業マンで全てがきまる
なぜ営業マンがこれほど重要かというと、家賃の値引き交渉などもありますが、1番重要視しているのが「入居後のトラブル対応」です。賃貸物件で本当に良い物件というのは綺麗な物件でも安い物件でもありません。入居後、いかに快適な生活を送れるかということです。
賃貸物件は長く住めば住むほど、様々なトラブルが発生するものです。その際にどれほど機敏に対応してくれるかによって、賃貸ライフは大きく変わります。
営業マンの本当の仕事
私が勤めていた不動産会社には、わたしを含めて営業マンが3人いました。この3人はまったく性格も違っており、仕事のやり方も様々でした。私の話はちょっと置いておいて、残りの2名の営業マンの話をしたいと思います。
Aさんという営業マンは本当に仕事熱心な人で、お客さん対応も非常に感心するものでしたし、家主からの信頼も非常に厚い人物でした。
一方でもう一人のBさんという営業マンは、全く逆の性格で、ひとことで言えばズボラでいいかげんな営業マン、という言い方がピッタリの方でした。もちろん家主との付き合いなどもほとんどありません。
賃貸物件の決定権は全て家主にある
基本的に賃貸物件とういのは家主に全ての決定権がありますので、トイレの水詰まりひとつでも家主の許可なしに修理を行うことはできません。
このような際に、常に家主や住宅設備業者などと密接な関係を築いているAさんであれば、トラブル対応も非常にスムーズですが、Bさんの場合にはAさんのようにスムーズには行きません。
なぜAさんがスムーズにトラブル対応できるかというと、家主がAさんを信頼しているからです。信頼されているAさんは、自分の判断である程度のトラブル対応を進めることができ、最後の判断だけを家主に仰げば良いのです。
しかし、Bさんの場合には、
- トラブルの内容
- 修理業者の選定
- 修理するのか新品に交換するのか
- 相見積りの必要性
- 修理・新品交換の決定
など全てを家主に確認する必要がありますので、かなりの時間が掛かってしまいます。
つまり、半日で解決するようなトラブルでも、Bさんの場合には2日も3日も掛かることがあるという訳です。Bさんにとって、お客さんはあなただけではありません。もし、このようなトラブルが他にも重なった場合には、半日で解決するトラブルが1週間掛かることも珍しくありません。
信用できる営業マンの見分け方
100%の確率で信用できる営業マンを見分ける方法というのは存在していませんが、あえてあげるとすれば、内見時などに家賃交渉をした際に、即家主に電話を掛けて交渉してくれる営業マンは非常に好感が持てます。これは家主との信頼関係が築けているという証拠です。
家賃交渉や内見時にかわらないことがあった際に「家主に確認して後日連絡しますね」という営業マンは以外と多いのですが、この際の連絡までの日数も目安になります。当日や翌日にすぐ連絡をくれる営業マンであれば合格です。
2日や3日以上の日数が経ってから連絡してくる営業マンは要注意ですし、こちらから催促するまで回答してこない営業マンは明らかに失格です。このような対応の素早さは、入居後のトラブル対応の早さにも直結していると考えて良いからです。
最後に1つ覚えておいて欲しいのが、家主は不動産会社と付き合っている訳ではありません。ほとんどの家主は担当してくれている営業マンと付き合っているのです。
営業マンと家主の関係が良好でなければ、決して安定した賃貸ライフは送れないということです。