一定期間の家賃を無償にするという物件のことを、不動産業界ではフリーレント物件といいます。一定期間とは、その物件によりマチマチですので一概にはいえませんが、一般的には1ヶ月間の家賃を無料にしている場合いが多いようです。
（まれに3ヶ月間無料という掘り出し物件もあります）

家賃が無料になると聞くと

• 何か訳あり物件なのではないか？
• 退去時に多額の費用を請求させるのではないか？
• 敷金や礼金を多めに支払う必要があるのではないか？

などと思いがちですが、そんなことはありません。あくまでも入居者を早急に確保するための策だと考えて良いでしょう。

フリーレントの広がりについて

フリーレント物件はもともと東京などの都心部を中心に全国的に広がりをみせたものです。東京でフリーレントが導入された頃には、家賃15万円以上の物件で見られることが多かったのですが、地方では高額家賃の物件よりも、家賃6万円ほどの一人くらい賃貸物件に多くみられるのが特長です。

近年では東京などの都心部でも、ワンルームマンションなどでフリーレントを取り入れている物件を多く見かけるようになりましたので、現在では全国的にみても幅広い賃貸物件でフリーレントが採用されていることがわかります。

家主が家賃値引きよりもフリーレントを好む理由

借りる側にしてみれば、フリーレントするのも、家賃を一定金額下げるのもたいして差はないのでは？と思ってしまいますが、一般的に家主側はフリーレントの方を好みます。

なぜ家主がフリーレントを好むのかというと、家賃を値下げして入居者を確保した場合、すでに賃貸中である他の部屋の住人から「私たちも家賃を下げてほしい」というクレームが出てしまうことを恐れるからです。

また、敷金を減らすのも退去時のリスクを考えると家主側としては出来る限り避けたいので、このような点からフリーレントの方が好まれます。

フリーレント物件はこんなにお得！

フリーレント物件で部屋を借りると、契約時に支払う前家賃1ヶ月分が必要なくなります。さらにフリーレント物件で良くある事例なのですが、日割り家賃をフリーレントしてもらえることも珍しくありません。

仮に家賃15万円の物件であれば、その月の15日から入居するとして、残りの日割り家賃（半月分）7万5千円と、前家賃1ヶ月分の15万円で、トータル22万5千円もお得になるということです。

もし、フリーレント3ヶ月なんていう物件であれば、50万円も得することになりますね。

フリーレント物件には違約金がある

ただし、フリーレント物件にももちろん注意点があります。

例えばフリーレント3ヶ月という物件を契約して、3ヶ月目に引っ越しすることを繰り返せば、家賃を支払うことなくずっと家賃0円で暮らしていける・・・なんてことを考える人がいるかもしれませんが、それはズバリできません。

フリーレント物件には、1年や2年以内に契約解除を行った場合は、それなりの違約金を支払うことが契約書に記入されているからです。この点にはあらかじめ注意しておきましょう。

長く住み続けるなら家賃の値引き交渉の方がお得

ここまでフリーレント物件の良いところばかりを紹介してきましたが、フリーレントよりも家賃の値引き交渉の方がお得になるケースももちろんあります。それはフリーレント物件に長期間住み続ける場合です。

当たり前の話ですが、もしその物件にかなり長い期間住み続けるつもりならば、フリーレントで入居するよりも家賃を値下げしてもらった方がトータルではお得になります。

つまり、1年や2年などの短期で借りる場合にはフリーレントの方がお得なである一方、長期間住むのであれば家賃を値引きしてもらったほうが安くなる、というわけですね。