不動産のホームページや賃貸情報誌をみていると、同じ物件が複数の不動産会社で募集していることがあるとおもいます。どうして、同じ物件なのに複数の不動産会社で同時に入居者募集がされているのかを簡単に説明したいと思います。
3タイプの物件がある
同じ物件が複数の不動産会社で入居者募集を行っているのには、実は3つの理由があるのです。
- 家主が複数の不動産会社に入居者募集の依頼をしている。
- 家主から入居者募集の依頼を受けている不動産会社が他の不動産会社に情報を流している。
- 物件の家主が不動産会社である。
大きく分類するとこの3タイプにわけることができます。
家主が複数の不動産会社に入居者募集の依頼をしている物件
このタイプの物件は、家主がどこの不動産会社にも管理委託をお願いしていない物件である可能性が高いです。このような物件の注意点は入居後にトラブルが生じた場合など、仲介してくれた不動産会社は管理委託を受けていないので入居者が直接家主に連絡することになります。
トラブル対応などが不十分でも、家主ということもあり、思ったことをなかなか言えないというデメリットが考えられます。
家主から依頼を受けている不動産会社が他の不動産へ物件情報を流している場合
このような物件は不動産業界では「流通物件」などという呼び方をしています。なぜ、わざわざ物件情報を他の不動産会社に流しているかというと、自社だけでは入居者を見つけるのが難しいほど、古い物件や家賃が相場より高い、車が入らないなどの問題物件などが考えられます。
また、空室期間が長くなり、家主から強い圧力が掛かっている場合なども他社へ情報を流したりします。単純に考えると自社のみでは入居者の確保が難しいと判断された物件ですので、決してオススメの物件とは言い難いです。
物件の家主が不動産会社の場合
例えばA不動産の自社物件でも多くの不動産会社で入居者募集を行っている場合があります。これは、A社は自社物件ですので、直接お客さんと賃貸契約しても仲介手数料は発生しません。
しかし、B社がこの物件をお客さんに紹介することで仲介手数料が発生するという仕組みなのです。これだとB社は仲介手数料を全額自社の売上にできるので、入居者募集を行うメリットが大きいのです。
お客さん側にしてみれば、当然A社で賃貸契約したほうが仲介手数料を支払う必要がないので、断然お得になります。しかし、不動産会社が自社で所有している物件をみつけるのは不動産関係者でない限り至難の技です。
不動産会社の自社物件を見つける方法は別記事の「不動産会社が扱っている賃貸物件は4種類に分類される」を参考にしてください。