賃貸マンションを探していると構造がRCやSRCとなっている場合がありますが、この違いについて簡単に説明したいと思います。
すごく簡単にいってしまうと
- RCが「鉄筋コンクリート造」
- SRCが「鉄筋鉄骨コンクリート造」
のマンションということになります。
しかし、単純に鉄筋や鉄筋鉄骨と言われても、その内容がわからないと比較検討できません。
RC(鉄筋コンクリート造)とは
RC(鉄筋コンクリート造)を簡単に説明すると、文字通り鉄筋とコンクリートを組み合わせている構造の建物です。RCとは「Reinforced Concrete」の頭文字を取ってあり、翻訳すると「強化コンクリート」となります。すなわち圧縮に強く、引張に弱いコンクリートを鉄筋によって補強している建物ということになります。
一般的に10階建て未満のマンションを建てる場合に多く用いられる構造でしたが、近年では高強度のコンクリートが開発され、高層マンションの構造などにも用いられるケースが増えてきています。
SRC(鉄筋鉄骨コンクリート造)とは
SRCとは「Steel framed (encased) Reinforced Concrete」の頭文字をとっており、RCと違い柱や梁などを鉄骨で組み上げてあり、その周りに鉄筋を配置しコンクリートを流し込んでいる構造のことをいいます。
強度や耐震性などの面でRCよりも優れているとされており、10階建て以上の高層マンションや超高層マンションなどの建築に用いられる場合が多くあります。
RCやSRCは防音性に優れている
一般の木造(アパート)や軽量鉄骨(ハイツ・コーポ)などの賃貸物件に比べるとRCやSRCの防音性能はかなり高いと言えます。このような防音性能を見越してRCやSRCの賃貸物件だけを探している入居者は非常に多いです。
私が不動産会社の営業時代にお客さんへ「なぜマンション系の物件を探しているのですか?」と尋ねると決まって「防音性が高いから」「キッチンやバスルームなどの設備が豪華だから」という答えが返ってきました。それほどに、入居者の多くが防音性能の面でRCやSRCといった賃貸マンションを探していることがわかります。
RCとSRCの防音性能を比較
RC造よりもSRC造の物件の方が防音性能が高いと思っている人が多くいるようですが、これはほとんど関係がありません。
構造上、木造や軽量鉄骨よりは確かに防音性能は高いのですが、RC造とSRC造で体感できるほどの防音性能の違いはないと言われています。
防音を気にするのであれば戸境壁をチェックするべし
どうしても防音に高いこだわりを持っているのであれば、RCやSRCという構造の違いというよりも戸境壁の厚さや構造の違いを考慮した方が高い防音効果が期待できると思います。
戸境壁(こざかいへき)とは、住居と住居の壁のことをいいます。つまりお隣さんとの仕切り壁のことです。分譲マンションの戸境壁は180mm〜250mmとなっておりますので、賃貸マンションでも180mm以上の厚さがあれば分譲マンション並みの防音効果が期待できるということです。
さらに、戸境壁がコンクリートブロックだけなのか、ウレタンなどを貼りつけて2重構造となっているかでも防音効果は大幅に変わってきますが、一般的な賃貸マンションでここまで期待するのはちょっと厳しいようです。分譲賃貸マンションなどを内見する場合には、参考にしてください。