シェアハウスに期待されている社会的な意義とは？

シェアハウスを利用する人にとって多くのメリットがあることは知られていますが、実は社会的にもシェアハウスに大きな注目が集まっています。

どのような点が注目されているのかを簡単にですが、解説していきたいと思います。

シェアハウスが社会的に注目されている理由

シェアハウスが社会的に注目を集めているのには以下のような理由があります。

エコライフで環境に優しい

日本の家屋の寿命が諸外国に比べ、すごく短いのをご存知でしょうか？
日本の木造建築には、築100年を超えている家屋も少なくありません。それほど日本の建築技術は世界的に見ても決して劣っているわけではありません。
しかし、近年では居住家屋の平均建て替え時期は20年～30年と言われています。当然、まだまだ住める住宅でさえも建て替えを繰り返すことになります。
これでは、産業廃棄物が大量に生まれてしまうのは仕方がありません。
このような日本の短命住宅という流れを変えなければ、今後益々環境に悪い廃棄物が増える一方です。

このような問題を解決するためには、古くてもまだまだ利用できる物を大事に使う習慣を作らなければなりません。そのひとつとしてシェアハウスが注目されています。
シェアハウスに使われる建物の多くが、築年数が経過している古い家屋をリフォームした建物です。昔は会社の寮として使われていたけど今は使われていない建物、ご両親が生前住んでいた古くなった実家、築年数が古く入居が決まらない事業用ビルなど、本来であれば取り壊されるような物件でもリフォームをすることでシェアハウスとして再利用されている物件が数多くあります。

さらにいうと、シェアハウスのように共同生活を送ることで、冷蔵庫や給湯設備を最小限に抑えることができるため、CO2などの排出ガスを抑えることができます。

セーフティネットとしての期待

シェアハウスは通常の賃貸物件と違い、敷金や礼金が必要ありません。さらに仲介手数料も無料となっている物件が多くあります。
このように敷金・礼金・仲介手数料が必要なければ、入居時の初期費用を相当抑えることが可能になります。

2013年現在、景気は徐々に回復傾向にありますが、それでも職を失ったり、正社員として働けない派遣労働者の数は増加傾向にあります。
派遣労働者は、いつ企業から解雇されるかもしれないという恐怖を感じながら毎日を過ごしています。
地域のハローワークには職を求める人が連日列を作っています。
言い方は悪いですが、生活保護受給者の数も過去最高数だそうです。
一度挫折してしまった人は、普通の生活に戻りたく必死に職を探していますが、住所もない状況でまともな職に就けないと嘆く人も大勢いらっしゃいます。

このように今の生活に困窮している人でも、シェアハウスのように低費用で入居できる施設があれば救われる人は大勢いるはずです。
今はまだ聞いたことがありませんが、今後生活保護受給者を対象としたシェアハウスも登場するかもしれません。このように弱者のセーフティネット的な役割もシェアハウスには期待ぜずにはいられません。

コミュニティを作る

シェアハウスやルームシェアに一番期待されているのが、コミュニティの再構築です。
昔にくらべ、今は隣近所に誰が住んでいるのかさえ知らないというケースが増えていますし、地域のコミュニティも過疎化しているのが現状です。

とくに目立つのが単身者世帯の孤立です。一人暮らしをしている人は地域のコミュニティに参加することは稀ですし、隣近所と関わりを持つことすら面倒だと思っている人も少なくないでしょう。
しかし、シェアハウスに住むことで人との繋がりを実感し、コミュニティの大事さを改めて考える良い機会になるのではないでしょうか？現に多くのシェアハウスでは地域の祭りや行事などに積極的に参加するケースが増えているそうです。

別の角度からのコミュニティ作りも考えられています。例えば母子家庭だけのシェアハウスが先日テレビで取り上げられていました。小さなお子さんがいれば、正社員として働くことも難しくなります。そのような悩みを抱える子育てママだけのシェアハウスがあり、そのシェアハウスには、管理者と呼ばれるお世話係の人がいて、子供の面倒をみてくれるそうです。それに一緒に住んでいる居住者が自分と同じ境遇の子育てママなので、色々な相談もできますし、お互いが助け合いながら生活することができると多くの子育てママが入居したいと殺到したそうです。

さらにこれも何かのテレビ番組でみかけたのですが、一人暮らしの高齢者世帯をシェアハウスとして貸し出すという構想があるそうです。高齢者のなかには、お子さんが既に結婚して家庭をもち、広い実家で一人くらしをしている人が大勢います。
それい伴い、問題となっているのが、高齢者の孤独死です。このように高齢者を世間から分離しないためにも、使わない部屋をシェアハウスとして貸し出すという内容でした。
高齢者にシェアハウスの管理まで任せるのは難しいと思いますので、シェアハウスの管理業者はこのような問題を現実化できるように積極的に打開策を打ち出して欲しいと願うばかりです。